ニュース 電子 作成日:2016年9月7日_記事番号:T00066256
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は6日、今後5年の同社の成長けん引役は▽スマートフォン▽高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)▽IoT(モノのインターネット)▽カーエレクトロニクス──と指摘した。スマホの成長は減速しているが、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、第4世代移動通信システム(4G)~5G、本人認証センサー、デュアルレンズなどが半導体チップ搭載量を押し上げると説明した。同社は製造プロセス10ナノメートルで顧客3社の製品をテープアウト(設計完了)しており、来年第1四半期に量産を開始する見通しだと明かした。7日付経済日報などが報じた。
王上級処長(左2)。セミコン台湾は9日まで台北世界貿易センター(TWTC)南港展覧館で開催される(6日=中央社)
TSMCの王耀東IoT業務開発処上級処長は、きょう7日開幕の半導体製造装置・材料の国際展示会、セミコン台湾を前に記者会見を開催した。同社の2020年までの売上成長は、スマホ関連チップが50%、HPCが25%の貢献をもたらし、残り25%はIoTとカーエレ関連との見方を示した。
王上級処長は、スマホの出荷台数は5%前後増えると予測。ミドル~ハイエンド機種のチップ搭載量はVR/ARなどの新機能で10%以上増えるが、ローエンド機種のチップ搭載量は変わらないと予測した。
HPCについては、世界的にビックデータの需要が増えることで、データセンターやネットワークインフラ構築、クラウドコンピューティング、ディープラーニング(深層学習)、人工知能(AI)への応用が進み、チップの需要が増えると予測した。
IoTは▽スマートハウス▽スマートシティー▽ウエアラブル(装着型)端末▽生体認証機能▽ドローン──など、カーエレは▽スマートカー▽次世代車載情報通信システム(IVI)──などが高性能のプロセッサーやセンサーの需要を押し上げると指摘した。
7ナノ競争、インテル脱落か
王上級処長は、10ナノプロセスは歩留まり率が満足できる水準に達しており、7ナノプロセスは18年第1四半期に量産、5ナノプロセスは19年にリスク生産(試験生産)を成功させると説明した。
TSMCの張忠謀(モリス・チャン)董事長は以前、7ナノプロセスは重要な競争になると話していた。
アップル受注のライバル、インテルは10ナノプロセス以降のロードマップを明らかにしていない。同社求人広告を基にした外電の報道によると、10ナノプロセスは18年1月に量産を開始し、7ナノは21年に量産がずれ込み、TSMCより3年の遅れを取る見通しだ。このため、アップルのプロセッサー受注は、TSMCとサムスン電子の2社の戦いになりそうだ。
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