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中国大都市射程のミサイル、開発を中止


ニュース 政治 作成日:2016年9月20日_記事番号:T00066485

中国大都市射程のミサイル、開発を中止

 蔡英文政権は北京や上海など中国の大都市を攻撃可能な中距離地対地ミサイル開発計画(コードネーム・雲峰)を中止することを決めたもようだ。20日付中国時報が台湾軍筋の話として伝えた。

 台湾では李登輝、陳水扁政権下で、中国の脅威に対抗する中距離地対地ミサイル開発が積極的に進められたが、中台関係の改善を図る馬英九政権では開発を延期。蔡英文政権は一歩踏み込んで開発中止を決めた。これまでの開発成果は軍備開発機関の国家中山科学研究院(中科院)が総括した後、凍結される見通しだ。

 開発中止の背景には、▽軍事戦略の調整が必要なこと▽台湾が核兵器を開発しない以上、ミサイル数発で北京や上海を攻撃しても戦局を変えられないこと▽量産に入った雄風2E型巡航ミサイルの性能が優れており、中国沿岸の軍事目標に有効に対応できること──があるという。

 軍事的な側面のほか、対中メッセージの色合いも濃い。民進党の反中色からみて、当初は中距離地対地ミサイル開発の再開が予想されていたが、大方の見方に反して開発中止を決めることで、中国側に関係改善に向けた誠意を示す狙いがあるとの見方だ。

 中国・華東師範大学両岸交流・地域発展研究所の包承柯副所長は「当局が武力で統一を拒むことは不可能だと認めたものだが、1992年の共通認識(92共識)が両岸関係の改善に向けた障害だ」と指摘した。