アップルが好調な滑り出しを見せたスマートフォン最新機種「iPhone7」の出荷を加速させる中、同製品の組み立てを手掛ける和碩聯合科技（ペガトロン）は、８月より中国工場、昌碩科技（上海）で５万人の従業員募集を行っているほか、既存従業員の給与を引き上げて対応しているとの観測が出ている。21日付蘋果日報などが報じた。
同紙によると、iPhone7の予約申し込み件数は前世代機種「iPhone6s」の数倍に上るとされるほか、ライバル機種となるサムスン電子の「ギャラクシーノート７」でバッテリーを原因とする発火、爆発事故が多発し、回収を発表する事態となる中、アップルはサプライチェーンに生産を急ぐよう通達を行ったとされる。
ペガトロン傘下の昌碩科技では従業員募集に当たり、労働力の質を重視し、従来よりも応募条件を引き上げるとともに、基本給を従来の月2,020人民元から2,320元（約３万5,000円）へ15％引き上げ、さらに残業手当を含めると、同工場の従業員全体の平均月給は約4,500元以上となっているという。
ただiPhone7について、▽高い負荷をかけた場合にノイズが発生する▽「機内モード」にして通信を遮断すると、同モードを終了した後も通信が回復しない状態が続く──といったトラブルが一部ユーザーから報告されており、ＪＰモルガン証券は現在の販売好調が今後も継続するかどうかは観察が必要と指摘した。
