ニュース 社会 作成日:2016年9月26日_記事番号:T00066592
輔仁大学(新北市新荘区)で昨年6月に起きた女子学生性的暴行事件に関連し、大学の学部トップが規定に基づく手続きに反した調査を行い、被害者がさらし者同然で尋問を受けていたことが判明し、波紋が広がっている。26日付蘋果日報などが伝えた。
名門私立として知られる輔仁大学に、学校当局のあるまじき対応によって衝撃が走っている(25日=中央社)
今回の事件では、同校社会科学院(学部に相当)の夏林清院長(63)が規定無視の調査で、事件は被害女性の「飲酒後の乱れた行為」が原因で起き、「わいせつ行為があっただけ」と結論付けていたが、大学側は23日、手続きには違法性があったとして、夏院長の職務停止処分を決めた。
問題の事件は昨年6月28日、卒業式の翌日未明、酒に酔った女子学生が後輩の男子学生から性的暴行を受けたとされるもの。こうしたケースでは本来、「性別平等教育法」に基づき、大学の性別平等教育委員会で調査を行うことが手続き上定められているが、夏院長は勝手に「作業小委員会」を立ち上げ、独自調査の上、性的暴行の事実をもみ消し、事件を「わいせつ事件」へと矮小(わいしょう)化した疑いが持たれている。
一方、事件を捜査した警察は、加害者が「性交に及んだ」と断定し、起訴している。被害学生と交際する男性が今年5月、インターネット上に「夏院長は学部の名誉のために被害者を犠牲にした」とする告発文を掲載し、騒動が拡大した。その後、今月21日になって、被害者の女子学生が夏院長らへの謝罪文をインターネットに掲載したことから、被害者が何らかの圧力を受けた可能性も浮上した。輔仁大は翌22日に緊急会議を開き、夏院長の職務停止と過失に関する調査を決める一方、夏院長が設置した作業小委員会は違法なものだったと認定した。
これに対し、夏院長を擁護する学生や教員は「大学側は世論に流されて事件を処理したもので、絶対に受け入れられない」とし、職務停止処分に無期限で抗議すると表明しており、騒動は拡大の一途をたどっている。
6時間の尋問
一方、夏院長が設置した作業小委員会は、今年6月に教員と学生200人を集めて公開討論会を行っていたことが分かった。
討論会では被害者の女子学生が6時間にわたり尋問を受け、交際相手の男性もインターネットに掲載した告発文について説明を求められた。被害者が尋問を受ける光景は出席者によって携帯電話で録画され、インターネット上に投稿された。さらし者同然の討論会は明らかに常軌を逸したもので、今後批判を浴びるのは必至だ。
輔仁大の江漢声校長は25日、「保護責任を果たさず、被害者に二重の傷を追わせた」と謝罪し、夏院長には発言を控えるよう求めた。
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