ニュース 社会 作成日:2016年9月26日_記事番号:T00066593
台湾のフェイスブック(FB)ユーザーの間では以前から、他人を中傷したり、憎悪(ヘイト)感情をむき出しにしたページが注目を集め、問題となってきたが、最近では自分のことを「負け犬」と認め、誰からも愛されないといった状況を風刺的に描いたイラストや短文を紹介する「厭世(えんせい)ページ」に人気が集まっている。
ファン10万人に達した「消極男子」は、今後も変わらずダラダラ適当にやりますとコメントした(フェイスブックページより)
「仕事で挫折して辞めたいと思うけれど、貯金額を見て思いとどまった」、「泣かないで。笑顔も不細工なんだから、泣き顔はとんでもないことになるから──。職場や恋愛など主に人間関係上の出来事を悲観的に描いたイラストと短文で人気を集めるFBページ、「消極男子」(https://www.facebook.com/vulru62k7ji3/)は開設から1年弱で既に閲覧者が10万人を突破した。
またゾンビのようにうつろな目をしたさまざまな動物のイラストを使って皮肉を効かせた短文や寓話を紹介する「厭世動物園」(https://www.facebook.com/N4zoo/)も開設後5カ月でファンが2万人を超えた。
「自分のつまらない愚痴がこんなに多くの人の心を慰めるとは思わなかった」──。異口同音に述べるこれらFBページの開設者は、自分のページが人気となった理由について、社会で良くないものとされる「後ろ向きな感情」を人は心の中に隠し持っているが、厭世FBページに「いいね」を押すことで精神のバランスを保っているのではないかとの見方を示している。
一方、政治大学社会系の黄厚銘教授はこうした現象について、中傷のような攻撃的な風潮、厭世的な風潮のいずれも、現代人が個人では対処しきれない孤独を抱えていることを反映したものと指摘。インターネットを通じて同じような境遇にある他人との共感を求めていると分析する。
また「中傷」から「厭世」への変化については、「中傷はまだ他人を攻撃する力があることを示しているが、厭世は虚無感に取りつかれており、若者の状況を客観視する力が弱まっていることの表れだ」と解説した。ただ、「人間は絶えず、新しいストレスのはけ口を求め続けるもので、特定の風潮にとどまることはない」との見方も示している。台湾の若者たちのストレスは今後、どのような形で吐き出されるのだろうか。
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