ニュース 社会 作成日:2016年10月3日_記事番号:T00066676
台湾資本の格安航空会社(LCC)第一陣として2013年に誕生した威航空(Vエア)は、経営不振を理由に10月1日で営業を停止。前日の9月30日夕方、桃園国際空港発タイ・チェンマイ行きの最後のフライトが行われた。同便に乗り込んだ乗務員は「(台湾黒熊=ツキノワグマをモチーフにしたマスコットキャラクターの)『威熊(Vベア)』が泣いてはいけない」と語り、笑顔で記念撮影を行い、「卒業飛行」の飛行機に乗り込んだ。
搭乗前には明るく振る舞った乗務員たちも、着陸前になると機内で卒業ソングを歌いつつ目に涙を浮かべた(30日=中央社)
海外のLCCが相次いで台湾路線に参入した中、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)は13年11月、台湾資本のLCCを設立すると宣言。その後、就航では同時期に参入を表明した中華航空(チャイナエアライン)傘下の台湾虎航(タイガーエア台湾)に先を越され、「台湾初」の座は譲ったものの、Vエアは14年12月17日に台北~バンコク線の運航を開始。その後、日本や韓国、東南アジア向けに相次いで路線を開設した。
Vベアの愛らしさが人気を博したほか、若く活気のある乗務員を登用したことから、同社のサービスはまずまずの好評を受けた。しかし、就航当初、路線の開設交渉がスムーズに進まなかったこと、機体の調達コストが負担となったこと、搭乗率が思うように伸びなかったことから、15年にマカオ線、今年7月にマニラ線を相次いで停止。福岡線や名古屋線も減便に追い込まれ、就航以来の赤字は9億台湾元に上った。
このほか親会社の復興航空が14年、15年と連続で多数の死者を出す墜落事故を起こしたことでVエアのブランドイメージも大きく悪化。業績不振に拍車がかかることとなり、今年8月に10月1日での復興航空への合併と運航停止を発表した。
最終便となった30日午後6時桃園発、チェンマイ行きZV09便の乗組員たちは、胸に「卒業生」の名札を付けて記念撮影を行ったり、乗客に手書きの「卒業式プログラム」を手渡したり、機内に卒業パーティー風の飾り付けを行ったりと趣向を凝らし、ラストフライトを明るい雰囲気に盛り上げた。
なお復興航空はその後、Vエアの合併を撤回し、会社を存続させた上で休業する方針へと転換。1年後に営業を再開するか検討するとしている。果たして再びVベアの姿を見ることはできるのだろうか。
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