鴻海科技集団（フォックスコン）が9.45％を出資する、ナノテクノロジーを利用した材料の研究開発（Ｒ＆Ｄ）や半導体および発光ダイオード（ＬＥＤ）のレーザー加工業務などを手掛ける納諾科技集団（ナノプラス・テック）は５日、「鴻海の軍師」、「郭台銘（テリー・ゴウ）董事長の師匠」などと呼ばれる中川威雄氏（77）が同日付で董事に就任すると発表した。同氏は現在、鴻海が買収したシャープの取締役を務めており、今後、ナノプラスは、自社製品と技術がシャープやその他の日本企業に採用されるのを目指す方針とみられる。６日付経済日報が報じた。
中川氏はプレス加工、型技術、切削・砥粒加工、工作機械等生産加工分野における新加工技術の専門家で、東京大学生産技術研究所の教授や理化学研究所素形材工学研究室主任研究員を歴任した後、定年後の2000年に超精密金型の受託加工、販売などを手掛けるファインテック（本社・東京都大田区）を創業。郭董事長とは20年以上にわたる交流を持ち、鴻海の技術顧問も務めている。
ナノプラスは「東大名誉教授である中川氏は多くの著名な日本企業で監査役や取締役を務めており、日本では極めて声望の厚い人物。同氏が董事に加わることで、業務の開拓への貢献が期待できる」と説明した。
