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サムスンノート7販売停止、競合サプライヤー受注増へ


ニュース 電子 作成日:2016年10月11日_記事番号:T00066791

サムスンノート7販売停止、競合サプライヤー受注増へ

 サムスン電子は11日、新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の世界での販売停止を発表した。ノート7はリコール(回収・無償修理)後も韓国、米国、台湾、中国で8件の発火・爆発事故が発生したとされる。サムスンはブランドイメージと業績への打撃が避けられないが、台湾のサプライヤーは、既に対策を取っており、影響は大きくないとの見方を示した。一方、アップルなどのサプライヤーは受注が増えそうだ。11日付経済日報などが報じた。

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 ノート7は8月19日の発売後、バッテリーの発火・爆発事故が世界で35件以上発生し、航空会社が機内持ち込みを禁じる事態となった。サムスンは9月2日に販売の一時停止、および世界250万台のリコールを発表し、台湾では23日から対象4万台の交換を開始した。

 その後も、韓国で10月1日に交換したノート7の爆発事故が起き、米国で5日、旅客機の機内で修理後のノート7が爆発し、乗客75人が避難する騒ぎが発生した。サムスンは原因調査を表明したが、結果は発表されていない。

 台湾では7日午後11時ごろ、台北市内湖区で犬の散歩中の女性(26)がズボンのポケットに入れていたノート7が、ボンという音とともに爆発した。慌てて放り出したが、約1分間発煙していたという。女性は事故後「もうサムスンのスマホは使いたくない」とiPhone7に交換した。女性はこれまでノートシリーズの全機種を使ったほどのサムスンファンで、ノート7は8月23日に購入し、9月27日に交換済みだった。

 米国の通信キャリア大手、AT&Tモビリティ、Tモバイル、ベライゾン・ワイヤレスはノート7の販売を停止した。豪州の通信キャリア最大手のテルストラやオプタス、ボーダフォンも販売停止を表明している。

原因はプロセッサーか

 サムスンによる2度の販売停止を受けて、サプライチェーンの▽大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽超衆科技(CCI)▽双鴻科技(オーラス・テクノロジー)▽台湾晶技(TXC)──は打撃が予想されている。ただ、あるサプライヤーは、ノート7は爆発事故が続出していたので想定内だと話した。

 外電によると、ノート7のバッテリーはサムスンSDIとTDK傘下の中国の新能源科技(アンペレックステクノロジー、ATL)が供給していたが、事故発生後サムスンSDIのバッテリー使用を中止し、ATLに追加発注した。アナリストは、発煙の原因はバッテリー自体でなく、プロセッサーの可能性が高いと指摘した。

 第一金証券投資顧問(ファースト・キャピタル・マネジメント)の陳奕光董事長は、サムスンの競合であるアップル、ソニー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などのサプライヤーは受注が増えると予測し、具体的な製品として半導体、IC設計、PCB、パワーアンプ(PA)、液晶パネルなどを挙げた。

 アナリストはサプライヤーの情報を基に、アップルのiPhone7の第4四半期出荷予測を7,500万台へと、従来予測の7,100万台から5.6%引き上げた。

【表】