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台北市立動物園の初代コアラ、パトリックが19歳で天国へ


ニュース 社会 作成日:2016年10月12日_記事番号:T00066839

台北市立動物園の初代コアラ、パトリックが19歳で天国へ

 台北市立動物園の人気者、コアラの「パトリック」が10日午後6時ごろ、老衰による多臓器不全のため、19歳で死亡した。パトリックは1999年に台湾で初めて飼育されるコアラの1頭として同動物園にやって来た当時、一大ブームを巻き起こした。この頃に子供時代を過ごした台北市民にとって忘れがたい思い出となっているようで、同日、動物園のフェイスブック(FB)ページには追悼コメントが相次いで寄せられた。

/date/2016/10/12/19koalabear_2.jpg台北市立動物園では、パトリックを追悼してホームページで生前の動画を公開している(同動物園リリースより)

 1997年にオーストラリアで生まれたパトリックは2歳になった99年7月、弟の「ハーレー」とともに台北市立動物園へとやって来た。同年8月14日に市民への公開が始まると、それまで台湾では見ることのできなかったコアラを一目見ようと大勢の市民が殺到。動物園の記録によると、「コアラ館」公開後1カ月館の入館者数は約80万人に達し、当時の馬英九台北市長がパトリックに名誉市民証を授与したことからもその人気ぶりがうかがえる。

 コアラ館の吳松霖館長によると、おとなしかったハーレーに対し、パトリックは怒りっぽい性格で、飼育員が毎日、日光浴のために彼を抱いて屋外に出す際、機嫌が良くないと指をかまれることもあったそうだ。

 コアラの寿命は一般に10~15歳とされるが、弟のハーレーは04年に鼻腔がんを患っため7歳で安楽死措置が取られた。一方のパトリックは平均寿命を過ぎても元気な姿を見せていたが、2年ほど前から歯の摩耗や白内障を患うなど健康に衰えが目立ち始め、動物園ではユーカリの葉に代替ミルクや鉄分を加えた特別食を与えるなど「介護体制」を取っていた。

 しかし先週日曜日、パトリックは体力が大幅に低下し、自分で食事を取れなくなった。さらに10日午前には呼吸が荒くなり、午後5時ごろから容態が急変し、1時間後にこの世を去った。

 なおコアラ館では近年、コアラの繁殖に務めており、パトリックは4頭の子宝に恵まれた上、既に孫も3頭誕生しており、彼の血は今後も台北市立動物園で受け継がれていくことになる。