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AUOの昆山LTPS工場量産、世界シェア8%に倍増へ


ニュース 電子 作成日:2016年11月16日_記事番号:T00067432

AUOの昆山LTPS工場量産、世界シェア8%に倍増へ

 液晶パネル大手、友達光電(AUO)は16日、中国・江蘇省昆山市の第6世代LTPS(低温ポリシリコン)パネル工場の開幕式を行った。AUOにとって海外で初の前工程(TFTアレイ)工場だ。彭双浪(ポール・ポン)董事長は、中国のスマートフォンブランド上位3社と供給契約を結んだほか、高解像度4K対応ノートパソコン向けなど海外大手からの引き合いも強いと説明。LTPSパネルの世界市場で、同社シェアが従来の3%から8%へ拡大すると予測した。16日付経済日報などが報じた。

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 AUOの昆山LTPS工場は今年8月、5.5インチのフルハイビジョン(フルHD)LTPSパネル生産に成功した。その後わずか3カ月での量産開始は、ジャパンディスプレイ(JDI)の6カ月より短く、世界最短期間を誇る。彭董事長は、同業他社は2年かかるケースもあったと語った。

 その上、マスク数が9枚と、通常の11枚より少ないので、生産コストが低く、生産性が高い。さらに、中国の顧客向けに現地生産で供給できるので、中国の輸入関税5%が不要なことも強みだ。

 彭董事長は、昆山工場ではLTPSパネルだけでなく、モジュールやインセル型タッチパネルまで一貫生産が可能で、顧客は別の場所でタッチパネルを用意する必要がないと説明した。

 彭董事長はまた、顧客からの受注が満杯で、中国のスマホ大手のほか、海外のノートPC大手ブランドからも引き合いが多いのは、LTPSパネルは高い解像度、省電力、スリムベゼル(狭額縁)で、ハイエンドノートPCの差別化に役立つためと語った。

 昆山工場の当面の月産能力は2万5,000枚(ガラス基板投入枚数)。ハイエンドスマホ用パネルの年産1億台分に相当する。年産額は250億~350億台湾元(約860億~1,200億円)を見込む。投資額は500億元。

有機ELの脅威を否定

 有機EL(OLED)パネルがLTPSパネルの脅威となるかについて彭董事長は、ハイエンドのLTPSパネルが供給不足となっている一方、有機ELパネルは生産の難易度が高いと指摘。中国で各社が第6世代アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネル工場7基に6,000億元を投じているが、いつ生産できるかは不明だと語った。

 彭董事長は、第4四半期~来年第1四半期は非需要期だが、AUOは追加受注で生産を急かされていると明かした。パネル需要の成長率が供給よりも強いため、来年上半期までパネル景気が楽観できると語った。

 トランプ氏の米国大統領選挙当選に関して彭董事長は、米国での生産はコストがかかるので、メードインUSAの製品を米国人さえ購入できるか分からず、トランプ氏が実際に選挙公約を実践するか当面は様子見だと語った。

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