ニュース 商業・サービス 作成日:2017年1月3日_記事番号:T00068268
「一例一休」(法定休日と所定休日を7日間に各1日)方式による週休2日制導入、時間外労働に対する割増賃金の増額などを盛り込んだ改正労働基準法(労基法)の施行により、労働部は、産業界の支出が年間476億台湾元(約1,730億円)増えるとの試算を示した。コンビニエンスストアの加盟店が定休日の設定を検討しているほか、餃子(ギョーザ)チェーン最大手、八方雲集などが1月1日から値上げするなど、飲食店は値上げや営業時間の短縮でコスト抑制を図っている。市民の消費生活にさまざまな影響が及びそうだ。3日付経済日報などが報じた。
労働力確保が困難で、人件費1~2割増が見込まれるコンビニ加盟店が定休日の設定を検討しているとの観測に対し、セブン-イレブン、全家便利商店(台湾ファミリーマート)、萊爾富(ハイライフ)、OK超商(OKマート)は、営業時間は契約で決まっているため加盟店は勝手に変更できず、消費者が不便を被ることはないと説明した。コンビニは原則、24時間営業で年中無休だが、数年前から学校や病院、工業団地などの一部店舗でのみ、夜間や週末に休業している。
飲食店では、八方雲集がニラ餃子を1個0.5元、スープを5元値上げしたほか、1月1日から、魯肉飯(豚肉そぼろかけご飯)の有名店「鬍鬚張(フォルモサ・チャン、日本名ひげちょう)」も1~10元、牛肉麺チェーン最大手の「三商巧福(サンショウコウフク)」も3~6元値上げした。マクドナルド、ケンタッキー、ピザハットなどは既に先月に値上げを済ませている。
映画館では、松山文創園区(松山カルチャー&クリエーティブパーク)にある誠品生活松煙店(台北市信義区)の誠品電影院が1月3日から20元値上げした。大江国際購物中心(メトロウォーク、桃園市中壢区)の星橋国際影城(SBC)は春節(旧正月、2017年は1月28日)から10元値上げする。
一方、パン販売の馬可先生(ミスターマーク)は昨年8月に日曜休業に踏み切ったが、12月までに約半数の店舗が日曜営業を再開している。同社は、これまで日曜に購入していた消費者を平日に誘導できず、月間売上高が800万元減少したためと説明した。
初診料50元値上げ
運送業の嘉里大栄物流(ケリーTJロジスティクス)や新竹物流(HCTロジスティクス)は1月1日から日曜や国定休日の集配を取りやめた。台湾宅配通(台湾ペリカン便)は、セブン-イレブンやファミリーマートなどの大口顧客を考慮し、5%の増員と値上げで対応することを決めた。
診療所は宜蘭市や台南市など一部の地方で、初診料を30~50元値上げしている。台北市、新北市、基隆市、花蓮県、高雄市では値上げは見られない。診所協会全国聯合会の曽梓展理事長は、各地の診療所が値上げを計画しており、台中市だけでも今後、診療所の3~5割が値上げすると予測した。
代償やむなし=行政院長
中華民国工商協進会(CNAIC)の林伯豊理事長は、以前のガソリン・電気料金の値上げの際、企業コストは2~3%増加したが、「一例一休」では5~8%増える上に、残業手当の計算方法も複雑だと批判した。中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の蔡練生秘書長は、物価上昇など市民への負担が大きいと述べた。中華民国全国商業総会(商総)の頼正鎰理事長は、バイク修理などで、早朝夜間や休日に休業する店舗が増えると指摘し、生活が不便になることへの懸念を示した。
林全行政院長は、労基法改正の目的は労働時間の短縮で、社会が代償を支払わないわけにはいかず、値上げもやむなしと語った。ただし、便乗値上げには目を光らせると付け加えた。
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