ニュース 社会 作成日:2017年1月20日_記事番号:T00068644
1949年に国民党が台湾に拠点を移した後、中国大陸を支配する共産党との内戦における最前線となった金門県の大胆島には「三民主義統一中国(三民主義により中国を統一する)」と白地に赤い文字で記された巨大な壁が設置されている。この壁は同島にほど近いアモイからも見ることができ、国民党の中国統一に向けた強い意志を見せつける意図があったようだ。しかし、時代は変わり、中台間の関係改善が進んだ現在、スローガンは意義を失い、さらには中国人観光客の記念写真スポットとなっている。
台風14号の被害で「一」の字が欠けてしまった(19日=中央社)
大胆島はかつて重要な軍事拠点だったことから一般人の立ち入りが禁止されているが、2014年に管轄が金門県政府に移管されたことをきっかけに青少年や退役軍人の上陸が可能となった。また金門を観光に訪れた中国人観光客が遊覧船に乗って島に接近し、「三民主義統一中国」の壁と一緒に写真に収まるというのがお決まりのコースとなっている。
しかし昨年9月、台風14号(アジア名・ムーランティ)襲来により、大胆島は大きな被害を受け、「三民主義統一中国」の壁もペンキが剥がれ落ちたり、亀裂が入って内部の鉄骨がむき出しになるなど無残な姿をさらすことになってしまった。
これに関して最近、「アモイ市から台湾の国防部に対し、中国人観光客が見たいと言っているから壁を修理してくれとの要請があった」とのうわさがインターネット上で広がっている。
ただ「反共産党」を意味するスローガンの修復を中国側が要請するというこの皮肉な逸話に対し国防部は、「連絡を受けたことはなく、ネット上のジョークにすぎない」と否定している。
なおこの逸話については、09年に馬英九総統(当時)が同島を視察に訪れた際、「三民主義統一中国」の壁が中国人観光客の記念撮影スポットとなっていることに言及し、「台風で壊れたので対岸(中国)から早く修理してくれと依頼された」というジョークを語ったことが出処とみられる。
大胆島は今年、中国人観光客に上陸を開放する計画で、これに向け、当の壁を含め3,000万台湾元をかけて修復を進める予定だ。
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