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テスラ台湾が納車開始、EV普及に弾み


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2017年1月24日_記事番号:T00068675

テスラ台湾が納車開始、EV普及に弾み

 電気自動車(EV)世界最大手、米テスラモーターズは23日、台湾で納車を開始するとともに、台湾初となる超急速充電施設「テスラスーパーチャージャーステーション」を台北市中山区に開設した。上半期に台北、台中、台南、高雄で5カ所に増やし、充電スタンド網を200基に拡大する予定だ。テスラの本格参入で、台湾でのEV普及に弾みが付くことが期待される。24日付経済日報などが報じた。

/date/2017/01/24/00tesla_2.jpg花博公園のスーパーチャージャー。テスラは、充電のしやすさがEV購入の決め手になるとアピールした(23日=中央社)

1割値上げ、貨物税反映

 テスラは昨年7月に公式サイトで入門モデル「モデルS」の販売を開始し、昨年9月に台北市信義区に旗艦店をオープンした。注文は100台を上回り、まず23日に最初の5台を納車した。

 テスラは、春節(旧正月、2017年は1月28日)明けの納車より、モデルS価格を318万2,000台湾元(約1,150万円)へと、従来の288万元から値上げすると発表した。昨年12月の貨物税(物品税)条例改正で、免税の上限枠140万元が設定され、超過分の貨物税は50%減免(12.5%)となったためと説明した。

 テスラは、毎年または走行距離2万キロごとに定期点検を受けるよう推奨している。テスラ主管によると、信義区の旗艦店に続き、3月に直営専売店、6月までに直営の保守点検サービスセンターを設置する予定で、他の都市では特約店で保守点検サービスが受けられる。

充電1回で南北縦断

 台湾初のスーパーチャージャーは、台北MRT(都市交通システム)円山駅近くの花博公園(台北エキスポパーク)争艶館(旧・中山サッカースタジアム)南側の駐車場に設置した。20分で50%充電できる充電スタンド6基を備える。モデルSの航続距離は1回の充電で632キロメートル。台湾は南北に450キロメートルなので、1回の充電で片道の走行分に余裕で対応できる計算だ。

 モデルSは家庭用充電設備を標準装備しているほか、充電スタンドは現在、台湾16カ所に40基ある。仁宇翔グローバル副総裁・アジア太平洋総裁は、スーパーチャージャー増設で、ドライバーは充電の心配なく、台湾各地に出掛けることができる上、環境保護にも貢献できると話した。

和大工業、テスラに期待感

 初回納車5台のうち4台は、テスラに減速機(ギアボックス)を独占供給している和大工業(HOTA)の沈国栄董事長、および同社幹部3人が購入した。

 沈董事長は、テスラは台湾のサプライヤーから多くの基幹部品を仕入れているほか、台湾に研究開発(R&D)センターを設けており、台湾EV産業の発展に貢献すると話した。

 証券会社のアナリストは、和大工業はテスラ向けの売上構成比が昨年の20%から今年26%まで拡大すると予測した。米国、欧州、中国などでの充電スタンド増設に伴い、康舒科技(アクベル・ポリテック)も恩恵が見込まれる。