ニュース 社会 作成日:2017年2月8日_記事番号:T00068830
台湾で初めて行われた男性の精液に関する大規模研究の結果、その質が年々劣化していることが明らかとなった。研究に関わった医師は「質の低下によって不妊リスクが高まる」と警告した。
今回の研究は、台北医学大学付属病院・生殖医学研究センターと、公共衛生を専門とする同大の研究者が共同で行った。同センターは2001年から10年にかけて台湾北部に住む26~57歳の男性7,187人から精液を収集し、▽精液1ccに含まれる精子の数▽1度の射精量▽1度に射精された精液に含まれる精子の数▽精子の推進力▽精子の進むスピード▽精子の形状──の6項目について分析した。
一般に健康な男性が1度に射精する量は3~4ccで、これに含まれる精子の数は1cc当たり4,000万~6,000万個、計1億2,000万~2億4,000万個とされる。しかし今回の研究の結果、台湾人男性の精液1ccに含まれる精子の数は年平均48万7,500個減少、毎回の射精量も同0.03cc減少しており、1回の射精で放出される精子の数は同300万個減り続けていることが明らかとなった。
また正常な推進力を持つ精子の比率は1人当たり年平均0.8ポイント、正常な推進速度を持つ精子の比率は同0.47ポイント、正常な形状を持つ精子の比率も同0.65ポイントずつ低下しているという。
専門家によると、不妊の最大の要因は女性の晩婚化にあり、精子の質の低下に比べ関連性が高いが、精子の質が低下し続ければ、妊娠の確率もさらに低くなる。実際、今回の研究が行われた期間、台湾における粗出生率(人口1,000人当たりの年間出生数)は11.65から7.21に急降下している。
人工受精の権威として知られる中山医学大学の李茂盛教授は、台湾人男性の精液の質低下について、大気汚染や可塑剤を含む飲食物の摂取、環境ホルモンなど多くの原因が考えられるが、これを裏付けるデータはないと説明した。
一方で別の医師は、男性に対し喫煙や酒の飲み過ぎも悪影響があるとの見方を示しているほか、睾丸が長時間蒸し暑い環境の中に置かれると精液の質の低下につながるため、ぴったりし過ぎる下着を着用したり、温泉に漬かり過ぎたりすることは避けるよう提言している。
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