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H5N6鳥インフル、感染したのはガチョウかアヒルか


ニュース 社会 作成日:2017年2月10日_記事番号:T00068884

H5N6鳥インフル、感染したのはガチョウかアヒルか

 行政院農業委員会(農委会)動植物防疫検疫局(防検局)は今月6日、花蓮県内で死んだガチョウのひなから台湾で初めてH5N6型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。しかし報道されたひなの写真を見た視聴者などから「あれはアヒルの子ではないか」と疑問の声が相次いで寄せられており、ガチョウ農家協会が「誤認が判明した場合、農委会に対し補償を要求する」との声明を出す事態となっている。

/date/2017/02/10/19H5N6_2.jpgH5N6鳥インフル検出を受け、花蓮県政府は8日、緊急対策センターを設立した(中央社)

 防検局は当時、2月2日、花蓮県玉里鎮の水田のあぜ道で死んでいるのが見つかり、検査の結果、H5N6型ウイルスへの感染が確認されたと発表。メディアによって大きく報じられた。しかしこれを見たドキュメンタリー映画監督の李恵仁氏が農委会に対し、「ガチョウ農家の友人が、ひと目見てガチョウではなくアヒルだと言った」と疑問を呈した。

 またガチョウ農家協会の林佳慧秘書長も、「ガチョウのひなは体が比較的丸い上、足の色もあんなに黄色くなく、首はもっと長い」と指摘した。

 一方、鳥類の専門家で中興大学の許振忠名誉教授は「アヒルはガチョウに比べ鼻孔が目に近く、くちばしは長くて平べったい」と説明した上で、問題となっている個体については「鼻孔の位置がはっきり写っておらず、実際に自分の目で見ていないので判断できない」と慎重な姿勢を示した。

 農委会は、当初、防検局を通じて畜産試験所の専門家2~3人に死んだひなの画像を見せたところ、いずれもガチョウと判定したことから、これを信用したと説明した。ただ、疑問の声が多く挙がっている状況を受け、今後、ひなの死がいからDNAを採取して台湾大学に鑑定を依頼する予定だ。

 なお防検局は、ガチョウかアヒルかにかかわらず厳しい防疫体制を敷くことに変わりはないと強調し、21日までは花蓮県から水鳥を他県市に輸送することを禁止。さらにニワトリなど他の家禽類を輸送する場合も、県境に設置した検査所で獣医が発行した「健康証明」の提出、および運搬車両を消毒することを義務付けている。