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救国団にビル引き渡し命令、最高法院で確定


ニュース 社会 作成日:2017年2月13日_記事番号:T00068908

救国団にビル引き渡し命令、最高法院で確定

 台北市松江路に中華民国政府が保有するビル「志清大楼」が中国青年救国団に長期にわたり占拠されているとして、財政部国有財産署が返還を求めていた訴訟で、中華民国最高法院は10日、救国団に使用権はなく、政府に建物を返還すべきだとする判決を下し確定した。11日付自由時報が伝えた。

/date/2017/02/13/19building_2.jpg志清大楼には産経新聞や時事通信など日本の大手メディアも入居している(10日=中央社)

 救国団は国民党政権の台湾移転初期の政治組織をルーツとする教育・研修機関。救国団は当初、国防部総政治部に属していたが、1969年に国防部傘下から独立した際、当時の教育部が救国団に同ビルの無償使用を認めた。ただ、使用期限を定めたかどうかは明確ではなかった。

 最高法院は救国団が使用する地上1~5階、地下1~2階の延べ床面積計2,087坪について、政府に返還されるべきだと判断。2011年8月にさかのぼって月額約76万台湾元(約280万円)、合計5,138万元の賃料を支払うことも命じた。

 救国団は「判決文を受け取っておらず、コメントできない」としている。

 現在志清大楼には救国団のほか、通信社の中央通訊社(CNA)、建設会社の栄民工程が入居している。救国団は裁判の過程で、国防部や行政院とは隷属関係がなく、志清大楼の土地は自己費用と第三者からの寄付を財源に購入し、ビルは中央通訊社、栄民工程と共同で建設したもので、3割の区分所有権があると主張していた。土地・建物が中華民国政府の所有と登記されていることについては、当時法人格がなく、所有権登記ができなかったためだとしていた。