ニュース 社会 作成日:2017年2月15日_記事番号:T00068964
台湾では2008年、金融危機の影響を受けて多くの企業が無給休暇を実施。休日の増えたサラリーパーソンたちがお金をかけずに楽しめるレジャーとしてサイクリングが一大ブームとなった。このため当時は全土でサイクリングロードの設置が進めらたが、ブームが去った現在、利用者が大幅に減っており、維持、管理を担う地方自治体を悩ませている。
彰化県には現在、80本近くのサイクリングロードが敷設されており、そのうちの3分の1がほとんど使用されておらず、雑草が伸び放題となっているという。このため県政府は整理を進めることを検討しており、台湾糖業(台糖)のトロッコ線路跡を利用して敷設した同県和美鎮のサイクリングロード2本についても地元から自動車道への変更を望む声が上っている。
また台中市には沿岸部に全長60キロメートルに及ぶサイクリングロードが設けられているが、途中に自転車専用ではない区間があるほか、海からの風が強いため、冬は特に利用者が少ないという。
桃園市や新北市でも多くのサイクリングロードが敷設されたものの、ブームが去った後、景色や利用環境の良くない路線にはサイクリストが訪れず、荒廃が進んでいるようだ。
建国科技大学設計学院の陳若華院長は、台湾のサイクリングロードをスポーツ向けとレジャー向けに分けた上で、人気ルートの3大条件として▽景色が良いこと▽混雑してないこと▽街路樹など日差しを遮るものものがあること──を挙げ、このうちの一つでも欠けるとすぐに利用されなくなると指摘する。
彰化県城市・観光発展処の田飛鵬処長は、「サイクリングロードの多くは当時、沿線の環境を考慮せずやみくもに敷設された」と説明。自転車で走っても心地が良くないルートも多いようで、さらに当時サイクリングの普及に注力した政府は、最近はジョギングの普及支援に転じており、ますます利用が減っているという。
今後はジョギングロードに転換されるサイクリングロードが増えるかもしれない。
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