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中正紀念堂、名称や銅像撤去も検討


ニュース 政治 作成日:2017年3月1日_記事番号:T00069209

中正紀念堂、名称や銅像撤去も検討

 鄭麗君文化部長は25日、蒋介石元総統を記念する建造物である台北市の中正紀念堂について、このほど発足した諮問小委員会が半年以内に施設名称、展示内容、蒋元総統の銅像撤去の是非などについても検討を進めると発表した。国民党が戦後間もない1947年に本省人住民を弾圧した「228事件」の記念日を控え、蒋元総統の歴史的評価をめぐる問題に一石を投じた格好だ。

/date/2017/03/01/18chuseikinen_2.jpg中正紀念堂前では賛否両派が対峙し、お互いの主張を叫ぶなど小競り合いが起きた(28日=中央社)

 2月26日付蘋果日報、1日付聯合報などによると、鄭文化部長は「速やかに討論を行い、共通認識を形成した上で、立法院の次の会期に改正法案を提出したい」とした上で、「名称変更や銅像撤去についても見直しを行うに値する」と述べた。

 228事件の記念日当日の28日には、賛否両派の衝突を避けるため、中正紀念堂を急きょ休館にする対応も取られた。突然の休館だったため、事情を知らずに訪れる観光客の姿が見られた。これについて鄭文化部長は「不必要な衝突を避けたり、焦点が曖昧になったりすることを避けるためだ」と説明した。

 これに先立ち、鄭文化部長は中正紀念堂で蒋元総統を称える「蒋公紀念歌」を流すのを取りやめたことや蒋元総統の人形など記念品を販売も中止したことも明らかにした。

 蒋元総統率いる国民党の独裁政治は台湾現代史に暗い影を落とし、台湾全土で蒋元総統の銅像撤去が進んだのは事実だが、台湾を構成するさまざまなアイデンティティーのグループ間では、蒋元総統の歴史的評価に温度差があるのも事実だ。中正紀念堂は当時を象徴する代表的な建造物であり、その在り方をめぐり激しい議論に発展するとみられる。