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夜市の中国客急減、生き残りかけあの手この手


ニュース 社会 作成日:2017年3月1日_記事番号:T00069213

夜市の中国客急減、生き残りかけあの手この手

 内政部移民署の統計によると、台湾を訪れる中国人ツアー客はかつて年間延べ190万人に達していたが、昨年は約134万人に急減。中国人客による消費を主な収入源としていた各地の観光夜市(ナイトマーケット)は大打撃を受けている。

 台湾南部で最も有名な観光夜市の一つ、高雄市の六合夜市は中国人ツアー客が必ず立ち寄る観光スポットで、かつては混雑で通行も困難なほどの人出でにぎわっていた。

 しかし、現在では通りの真ん中で子供が自転車に乗って遊べるほど閑散とした状態となっている。ある土産物店の店主は「売り上げが以前の半分に減り、一晩で1,000台湾元に届かないこともある」と嘆いており、一部では廃業する屋台も出ているようだ。

 こうした状況は六合夜市に限ったことではなく、台北市の士林夜市などでも業績が顕著な落ち込みを見せている。同夜市の屋台業者で結成する士林市場自治会の郭逢時総幹事は「政権が交代した昨年5月を境に売り上げが20~30%減った」と指摘した。

 さらに昨年、新北市三重区にオープンしたばかりの三重星光夜市は当初、200以上の屋台が軒を連ねていたが、現在では休日でも20軒、平日は1桁しか店を開いていない悲惨な状況だ。

 なお台中市では早くから観光市場における中国客への依存度を引き下げるべく、日本や韓国、香港からの観光客誘致に力を入れており、市内夜市は比較的盛況を維持しているほか、旅館やホテルの客室稼働率も上昇を見せているという。

 また台北市大同区の寧夏夜市や台中市の西屯区の環中夜市では、全面禁煙化、モバイル決済の導入、農家が自ら農産品を販売するバザーの開設など差別化を打ち出し成功している。

 当面は再び中国客が戻る見込みがない中、士林夜市の各屋台でもメニューに英語、日本語、韓国語を加え、他国の観光客の取り込みを図っている。

 黙っていても中国客が押し寄せた時代が終り、夜市も生き残りをかけた企業努力が必須となっているようだ。