中台間の学生交流をめぐり、中国側が台湾側の大学に対し、講義内容が「一中一台」「二つの中国」「台湾独立」など政治的にデリケートな内容を含まないことの確約を求め、世新大学（台北市文山区）が中国側の要求に沿って署名したとされる確約書が流出した。２日付自由時報が伝えた。
問題の確約書は、世新大が今年２月から６月まで中国人学生11人を受け入れる際し、昨年12月に邱志淳・生涯教育部長名義で作成されたものだった。
世新大は講義内容が政治的にデリケートな内容を含まないと判断し、確約書への署名に応じたと説明している。しかし、大学側は中国の主張する「一つの中国」原則を安易に受け入れた格好で、自ら学問の自由を制限したと受け取られかねないだけに論議を呼びそうだ。
教育部の蔡清華政務次長（次官）は「大学はさまざまなテーマを討論できるべきで、自らの講義範囲を限定するのは不適切だ。講師にこの方面のテーマには触れるなと指示するのも適切ではない」と述べ、実態把握を進める方針を明らかにした。
