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TSMC減速、中国スマホ出荷にブレーキ


ニュース 電子 作成日:2017年3月6日_記事番号:T00069274

TSMC減速、中国スマホ出荷にブレーキ

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、上半期出荷予測に下振れ圧力を受けているとの指摘が証券会社から出ている。市場観測によると、スマートフォンやゲーミング(ゲーム用)パソコン需要の弱まりで、聯発科技(メディアテック)など半導体大手の出荷が振るわない。中国スマホブランド大手3社、▽華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)▽広東欧珀移動通信(OPPO)▽維沃移動通信(vivo)──のいわゆる「HOV」は、今年第1四半期の部品調達見通しを1割以上下方修正しており、スマホ市場は当面、低迷を余儀なくされる見通しだ。5日付経済日報などが報じた。

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 半導体業界関係者は、春節(旧正月、2017年は1月28日)明けもスマホメーカー向け出荷が増えず、これまで好調だったゲーミングPC需要も振るわないと指摘。3月もこの状況が続けば、今年の第1四半期は例年以上に厳しい非需要期となると予測した。

 顧客からの出荷要請が強まらない中、画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアは、昨年第4四半期の在庫水準が高かったため、ファウンドリーへの生産委託を増やせない状況だ。

 TSMCは先日の業績説明会で、スマホ向けをはじめ顧客の在庫調整で、第1四半期だけでなく第2四半期も前期比で成長が困難との見方を示している。同社の第1四半期連結売上高見通しは前期比8.8~10%減の2,360億~2,390億台湾元(約8,700億~8,800億円)だ。

 証券会社は、TSMCの第1四半期業績は予想をやや下回り、第2四半期売上高は前期比6~7%減に減少幅が拡大すると予測した。

特徴出せずスマホ低迷期に

 中国のスマホ市場シェア7~8割を占める大手3社が、昨年末時点でサプライヤーに対して示した17年販売目標は、▽ファーウェイ、1億6,000万台▽OPPO、1億4,000万~1億6,000万台▽vivo、1億4,000万台──で、OPPOとvivoは前年比4割増の急成長を見込んでいた。ところが今年に入り、サプライヤーからの第1四半期調達予定を相次いで1割以上引き下げた。

 スマホ用半導体メーカーは、今年はスマホ新機種に目立った特徴を打ち出せない見通しで、第1四半期に急ブレーキがかかったと分析した。

 第2~3四半期にはサムスン電子の「ギャラクシーS8」、アップルの「iPhone8」など新機種が発売される見通しだ。ただし、メディアテックの朱尚祖・共同営運長(COO)は先日、中国ブランドへの影響は大きくないとの見方を示している。

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