ニュース 電子 作成日:2017年3月10日_記事番号:T00069389
DRAM大手、南亜科技は9日、20ナノメートル製造プロセスへの設備投資を198億4,000万台湾元(約740億円)追加することを決めた。従来より55%の拡大だ。20ナノプロセスは第3四半期に生産開始予定で、月産能力を最大3万8,000枚(12インチウエハー)に引き上げる。李培瑛総経理は、スマートフォンやサーバーへのDRAM搭載量増加で、年内は供給不足が見込まれると説明した。10日付経済日報などが報じた。
南亜科技の20ナノプロセスの設備投資は従来の359億元から557億4,000万元に増える。今年の設備投資総額は343億元となり、前年比5割増の見通しだ。いずれも設立以来で最大規模となる。
李総経理は、20ナノプロセスは今年1月末に試験生産を行っており、歩留まり率は非常に高いと述べた。第3四半期に少量生産を開始し、年末にはウエハー投入枚数を3万枚、来年上半期には3万8,000枚に引き上げる計画だ。既存の30ナノプロセス月産能力3万枚を合わせれば、全体の生産能力は6万8,000枚となり、ビット成長率は50%に達する。
李総経理は、DRAM生産能力の増強で、製造コストを大幅に削減するほか、製品の性能向上を実現し、低消費電力モバイルメモリーの構成比を30%へと現在の11%から拡大させると述べた。
Q2価格も先高感
李総経理は、DRAM市場は供給不足で、在庫水準も低いと指摘。価格は第1四半期に10~15%上昇しており、第2四半期も上昇が見込まれ、下半期の市況は比較的期待できると話した。サムスン電子、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの大手3社は先進プロセス移行で生産量を増やしているだけで、まだ生産能力を増強していないため、今年の供給側のビット成長率は20%と予測した。一方、需要の成長率は22%以上の予測で、供給不足となる見通しだ。
特別ボーナス17万元
南亜科技は同日の董事会で、1株当たりの配当金1.5元、および従業員特別配当に4億6,000万元を拠出することを決議した。従業員1人当たりは17万元で、通常の給与、四半期ごとの奨励金28万6,000元、三節礼金(春節、端午節、中秋節ボーナス)を合わせれば、月収20カ月分を受け取れる計算だ。同社は2013年の黒字転換以来、従業員に高額の利益還元を行っている。
李総経理は、重要な技術者500人に対する昇給も決めたと話した。マイクロンの賃上げや、中国メーカーによる引き抜きへの対抗措置だ。
南亜科技は今年さらに300~400人を新規雇用し、従業員は3,000人に増える予定だ。
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