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WBCで台湾が惨敗、ファンの怒りは野球協会に


ニュース 社会 作成日:2017年3月10日_記事番号:T00069413

WBCで台湾が惨敗、ファンの怒りは野球協会に

 現在、連日熱戦が繰り広げられている野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2017年大会で、残念ながら台湾代表は3連敗を喫し、1次ラウンド敗退が決定。ふがいない結果を受けて不満を募らせるファンは、怒りの矛先を代表チーム編成を主導する政府系団体、中華民国棒球協会(CTBA)に向けており、同団体の解体を求める運動も起きている。

/date/2017/03/10/19WBC_2.jpg郭泰源監督(右)率いる選手団が桃園国際空港に到着すると、多くの野球ファンから声援が送られた(10日=中央社)

 今回のWBCで1次ラウンドA組に入った台湾代表は、7日に行われたイスラエルとの初戦で7対15の大敗を喫した後、8日のオランダ戦では善戦したものの、9回裏に押し出し四球を与え、サヨナラ負けとなった。

 両者2敗同士で迎えた9日の韓国戦では、序盤に6点の大量リードを許したものの、その後打線が奮起して7回に同点に追い付き、試合は延長線に入った。しかし10回に韓国が2ランホームランなどで3点を勝ち越すと、その裏、台湾は韓国の抑えの切り札、呉昇桓(オ・スンファン)に三者凡退に切って取られゲームセット。念願の初勝利はならず、同組最下位が決定した。

 試合後、奮闘した選手に対してネットユーザーなどからは「諦めずによく頑張った」と称える声が聞かれる一方で、CTBAに対しては選手を派遣する台湾プロ野球リーグ、中華職棒球大聯盟(CPBL)との関係を悪化させ、「選手の足を引っ張った」などとの批判が高まっている。

 CTBAとCPBLの対立は以前から広く知られており、これまで国際大会ではCTBAがCPBLに代表選手の召集を依頼する形を取ってきたが、今回のWBCでは両者の摩擦からCPBLがこれを拒否。各球団に決定を委ねることになった結果、ラミゴ・モンキーズが選手を派遣しないことを決めたため多くの有力選手が召集できず、最強のチーム編成はかなわなかった。

 これについてネットではCTBAに非があるとの見方が大勢を占めており、韓国戦での敗戦後、フェイスブック(FB)上に同団体の解散を求めるイベントページが出現。同ページでは今月18日に台北市のCTBA事務所前で抗議活動を行うとしているが、わずか1時間で1万4,000人が参加意思を表明した。

 ただある野球評論家は、台湾球界に問題があり、改善されなければ国際大会で勝つことは永遠にできないとの認識を示したものの、CTBAとCPBLのいずれかが悪いわけではなく、両者を取り持つ者が必要だとして政府にその役割を果たすよう求めた。

 野球界では今後、来年はジャカルタなどで開かれるアジア大会、2019年は東京五輪予選を兼ねるアジア野球選手権大会と世界ランキング上位12カ国が争う「プレミア12」と、重要な国際大会が相次ぐ予定で、それまでに台湾代表が実力を出し切れる体制が整えられるだろうか。