ニュース 社会 作成日:2017年3月13日_記事番号:T00069438
夏は大勢のスキューバダイビング客でにぎわう台東県沖の離島、緑島の海岸で10日午後、地元住民が潜水中、海底が大量の重油で汚染されているのを発見、環境保護署(環保署)に通報した。同署の調べによると、前日に同島西側を航行していた外国籍のばら積み貨物船が重油を違法に投棄した可能性が高いという。専門家は近海の生態系に20年以上にわたり影響を及ぼすと懸念している。
緑島の波打ち際には重油の黒い帯が延々と刻まれた(11日=中央社)
緑島でサンゴなどの研究を行う中央研究院(中研院)生物多様性研究センターの鄭明修研究員によると、重油は海水より比重が軽いため、通常は海面を漂うが、今回は重油が砂や小石と混ざり合って海底に沈んだものとみられる。これにより貝類やカニ類に油が付着するなどの影響が出ると予想される他、波によって撹拌され、細かい塊となった油が深海などに広がれば、被害はさらに拡大する可能性があるという。
現時点で汚染は緑島北部~北東部にかけて約7キロメートル、島の海岸線の35%に及ぶことが分かっているが、サンゴ礁が重油で覆われるなどの被害は発見されておらず、人気ダイビングスポット3地点でも小さな油の塊が見つかる程度にとどまっている。しかし鄭研究員は、ダイビング客のウェットスーツなどに油が付着するなどの影響が完全になくなるには半年~1年かかると指摘しており、観光業への影響が懸念される。
なお環保署などは11~12日に海底や海岸の石や岩に付着した重油の大規模な除去作業を行った結果、集まった重油と重油を含むゴミの量は合計1,123キログラムに上っており、今後、少なくとも1週間をかけて除去を進める方針だ。
汚染源とされる船舶について環保署は、現時点で疑惑にとどまっているとして船籍などの詳細を明らかにしていないが、台湾域内の代理人を通じて船主に説明を求めると強調。船主が説明を拒んだ場合は、同署が独自に収集した証拠を基に賠償請求を行う方針だ。
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