金融監督管理委員会（金管会）の統計によると、これまでに公開している上場・店頭公開企業63社の平均昇給率は３～５％で、上場・店頭公開企業全体の2016年純利益の成長率2.24％を大幅に上回った。金管会は、企業が先行きを好感し、優秀な人材の引き止めに力を入れていると分析しており、在台日系企業にとって今年の従業員昇給において一つの参考になりそうだ。27日付蘋果日報などが報じた。

　63社の内訳は上場企業35社、店頭公開企業28社で、▽科学技術▽金融▽鉄鋼▽バイオテクノロジー▽電力・ガス供給業──など多岐にわたる。

　金管会の統計によると、上場・店頭公開企業全体の平均昇給率は、15年は3.9％、16年は2.04％と縮小している。上場・店頭公開企業全体の16年純利益は２兆3,300兆台湾元（８兆6,100億元）の前年比2.24％増で、今年の昇給率はこれを上回っていることから、企業は景気動向を楽観視し、増益を見込んでいることがうかがえる。

ＴＳＭＣ、３～５％賃上げ

　ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）の昇給率は平均３～５％で、企業訊息処の 孫又文処長は、一般社員の昇給率を中堅幹部よりも高めに設定したと説明。また昇給率は一律ではなく、成績によって幅を持たせたと話した。

　半導体パッケージング・テスティング（封止・検査）大手、京元電子（ＫＹＥＣ）の昇給率も平均３～５％で、李金恭董事長は、ここ数年業績が良く、09～10年以外は毎年３～５％の昇給を実施していると述べた。

　その他の電子業界企業の昇給率は、▽立積電子（リッチウエーブ・テクノロジー）、３～５％▽技嘉科技（ギガバイト・テクノロジー）、３％──。

金融業、減益でも昇給

　金融業界の16年純利益は4,700億元と前年比15％減だったものの、平均昇給率は▽投資コンサルティング、15％▽生命保険、３～５％▽先物業者、３～５％▽銀行、３％▽損害保険、２％──だった。

　京城銀行の広報は、従業員930人の23％に当たる216人が昇給し、昇給率は1.5～25％、平均昇給率は５％と説明。昇給しなかった従業員を含めた全体での平均昇給率は１～1.5％になると話した。