中国人観光客の大幅減少で打撃を受ける高級ホテルが、エビ釣り体験や料理教室など、観光客向けにあの手この手のサービスを繰り広げている。

　台北晶華酒店（リージェント台北）は、個人旅行者の増加に伴い、一味違ったローカル体験を味わってもらいたいと、10種類の体験オプションプランを開始した。例えば、エビ釣り体験プランはスタッフのアテンドで専用車に乗って台北市外双渓のエビ釣り場に向かい、エビ釣り体験を楽しんだ後、戦利品のエビを高級レストランのシェフに調理してもらって賞味するというもの。料金は１人1,500台湾元。

　また、外国人旅行者に欠かせない観光スポットの故宮博物院を参観した後、附設の高級レストラン、故宮晶華（シルクパレス）の支配人より中華飲食文化の解説を受け、さらに故宮博物院を代表する美術品の一つ、虫がとまったハクサイの彫刻「翠玉白菜（すいぎょくはくさい）」を模したデザートの手作り体験を行うというプランもある。こちらは１人3,800元だ。

　このほか、自分だけのオリジナル香水づくりプラン（4,000元）や、専門家の歌のレッスンを受けた後、レコーディング室でシングルＣＤを制作するプラン（8,000元）など、いずれも一味違う体験ができる。

　一方、外出や旅行が困難な赤ちゃん連れの夫婦もご安心を。台北美福大飯店（グランド・メイフル・ホテル台北）は６月末まで、赤ちゃん連れ専用の宿泊プランを提供している。客室は18坪と広めで、１泊２食付き１室１万1,800元（サービス料15.5％別）。ビュッフェレストランでベビーフードを提供するほか、客室内に哺乳瓶の消毒器、ベビーバス、ベビーベッドなどを準備可能で、写真館で家族写真を撮影できる写真券ももらえる。子育てに忙しい夫婦にも、たまにはホテルで息抜きしてもらおうという試みだ。

　アクティブ派には、台北威斯汀六福皇宮（ザ・ウェスティン台北）のランニングプランがお勧めだ。消毒済みのウエアやシューズをレンタルでき、８人以上集まれば、専属トレーナーが体力に合わせてランニングコースをプランニングしてくれる。

　こうしたサービスについてホテル側は「全く儲からない」と口をそろえるが、定番の観光地を制覇した台湾旅行のリピーターや台湾在住者にも特別な思い出となること請け合いだ。