ニュース 社会 作成日:2017年6月14日_記事番号:T00071101
かつて台湾では水田を耕やす作業に水牛が用いられ、田植えシーズンになるとすきを引く牛の姿があちこちで見受けられたそうだが、機械化の波を受けて1970年代を最後に水牛たちは台湾の田んぼから姿を消した。そんな「台湾農業の象徴」とも呼ばれた水牛が、今年2月より約40年ぶりに新竹県の水田に姿を表し、多くの市民の関心を引いている。
水牛による耕作を復活させたのは新竹県関西鎮で書店「石店子69有機書店」を営む盧文鈞さん。農業が現代人の生活から遠く離れた存在となってしまったことを憂う盧さんは、大地にやさしい方法で田んぼを耕し、農薬を使わない稲作を復活させることにより、多くの人に安全な米を提供するとともに、自然との共生や収穫のありがたみを理解してもらおうと決意。同県で唯一水牛を使った耕作技術を持つ農家の李春信さんに協力を求め、2月に実際に農作業を行った。
すると珍しい光景に田んぼの周囲に人が集まり始め、作業を行った3日間で見学者の数は約100人にふくれ上がった。かつて田んぼに水牛がいる光景が日常だった時代に幼少期を過ごした70~80代の姿も多く見られ、「子供のころを思い出す」といった声が聞かれた。たまらず田んぼに入って作業を手伝い出した70代の男性は「これほど近くで大地に触れ合ったのは久しぶりだ」とうれしそうに語った。
この田んぼで採れた米は、クラウドファンディングサイトを通じて600グラム250台湾元(約900円)などで販売しており、収穫後の9月に購入者に送付する予定だ。
なお盧さんは、関西鎮で田んぼを借りて水牛を使った農業を営んだ場合、土地や水牛を借りる費用を差し引いて年間10万元以上の利益が上がり、さらに自分で食べる米や野菜も残ると説明している。これは台北市で働く若者が収入から生活費を引いて残る額とほぼ同水準だそうだ。
盧さんは水牛を使った農業を復活させたことについて「若者が故郷に帰り、農業に従事するきっかけにしたい」と夢を語った。
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