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TSMC南京工場で設備搬入、封止・検査が中国進出加速


ニュース 電子 作成日:2017年9月11日_記事番号:T00072785

TSMC南京工場で設備搬入、封止・検査が中国進出加速

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)はあす12日、中国・南京市の12インチウエハー新工場で生産設備の搬入を開始する。パッケージング・テスティング(封止・検査)でTSMCの協力メーカーである欣銓科技(アーデンテック)が南京に進出するなど、TSMCの生産拡張を含めた中国半導体市場の拡大に合わせて、台湾の封止・検査メーカーが中国進出を加速させている。11日付経済日報などが報じた。

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 TSMC南京拠点は投資総額は30億米ドル以下で、江北新区の浦口経済開発区に位置し、12インチウエハー工場と設計サービスセンターから成る。既にほぼ完成しており、10月の完工後、2018年下半期の量産を見込む。月産能力は2万枚で、16ナノメートル製造プロセスで生産する。当初の顧客は深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)や聯発科技(メディアテック)などで、既に全ての生産能力を押さえているようだ。

 張忠謀(モリス・チャン)TSMC董事長はあす12日現地入りし、生産設備搬入の式典に参加する。設備メーカーの▽アプライドマテリアルズ▽ASML▽ラムリサーチ▽KLAテンコール▽荏原製作所▽東京エレクトロン▽SCREENセミコンダクターソリューションズ▽日立ハイテクノロジーズ──の関係者も出席する。

中国各地で生産拡大

 TSMCの南京工場設置に合わせ、アーデンテックも4,500万米ドルを投じて南京への工場設置を進めている。工場棟は8月に完成しており、TSMCの量産開始に間に合わせるため、年内の試験生産を目指す。アーデンテックは今後、長江デルタ地帯まで営業エリアを拡大させる方針だ。

 TSMCに先駆けて聯華電子(UMC)が今年、福建省アモイで12インチウエハーの量産を始めており、封止・検査大手の矽品精密工業(SPIL)もこれに応じて4,500万米ドルを投じ、福建省泉州市晋江市に工場を設置する計画だ。経済部投資審議委員会(投審会)の認可は下りており、現在用地を取得中だ。早ければ18年末~19年初めに量産を開始する。

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 南茂科技(チップモス・テクノロジーズ)も、中国の国有半導体大手、紫光集団からの出資を受け、上海で液晶パネルドライバICのパッケージングや金バンプ加工の生産能力拡大に着手しており、うちパッケージングは月産能力を従来の5~6倍となる6,000万個まで増やす。将来的にはアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルドライバICやメモリーのパッケージングも拡充する。

 力成科技(パワーテック・テクノロジー、PTI)は、マイクロンが陝西省西安市にメモリー工場を設置したことを受け、主に汎用DRAMのパッケージング・テスティングの生産能力を拡大させている。月産能力は現在1億個で、年内にさらに1億2,000万個まで増やす。

【表】