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ホームレス歴6年、貯金180万元忘れてた


ニュース 社会 作成日:2017年10月6日_記事番号:T00073288

ホームレス歴6年、貯金180万元忘れてた

 桃園市で昨年、ホームレスの男性(57)が街中で万引きや破壊行為を繰り返していたため、福祉団体によるサポートを受けることになった。当初はコミュニケーションを拒否していた男性も、親身に世話をしてくれるボランティアに心を開き、人生をやり直すことに意欲を見せるようになった。ある日、男性が失くした通帳の再発行を思い立ち、郵便局に出掛けたところ、彼の口座には思いがけない残高の貯金が残っていたことが明らかとなった。

 この男性は昨年9月、問題行動を繰り返していたことから、周辺住民の通報により福祉団体がサポートに乗り出し、病院での治療を受けることになった。最初は話し掛ける福祉ボランティアと目も合わせようとしなかったが、定期的に彼の元を訪れて気に掛けてくれる相手に徐々に心を開き、会話に応じるようになった。

 男性によると、6年ほど前、持っていたかばんを盗まれ、中に入っていた現金60万元と身分証明書、印鑑などを全て失うという事件に見舞われ、人間が信じられなくなったという。そしてある日、突然頭の中に「2万元の安月給で働き、遊びもせず、友達とも付き合わずに貯めた金が全て無くなった」という言葉が繰り返し聞こえるようになり、我を失ってホームレスに身を落としてしまったそうだ。

 病院から処方された薬もきちんと飲むようになった男性は症状が改善され、自分の人生をやり直そうを考え始めたようで、保護を受けるようになった2カ月後、ボランティアに「父親が暮らす家に帰りたいと思う」と申し出た。

 これをきっかけに自分の口座の通帳を再発行しようと思い立ち、ボランティアに伴われて郵便局に手続きに出向いた。彼の口座は長らく使用されていなかったため、身分証明などにずいぶん時間がかかったものの、最終的には無事に通帳が再発行された。新たに受け取った通帳を開いてみると、そこには180万元もの残高が記入されていた。

 盗まれた60万元を合わせると、男性は当時、240万元もの貯金を有していたことになり、「2万元の安月給」が事実とすれば、相当な努力をして貯めたものと推測される。その大切な貯金を奪われたことで大きなショックを受け、心を病んでしまったと思われるが、幸いにもボランティアの手厚いサポートが受けられ、現在、男性は台湾東部の実家へ戻り、父親とともに再び自分の人生を歩き始めたそうだ。