ニュース 社会 作成日:2017年10月16日_記事番号:T00073397
台湾東北部、東部、南部の近海に生息するさまざまな種類のサンゴは保護対象に指定されており、採取に規制が設けられている。しかしサンゴで作った宝石や仏像などが高値で取引されることから密漁が相次いでおり、危機的な状況にあるという。
台湾では主に東北部や東部沿岸部、恒春半島、離島の緑島、蘭嶼、澎湖島などにサンゴが生息しており、特に恒春半島では300種類以上が確認されている。
色とりどりのサンゴが群生する海域はスキューバダイビングの人気スポットとなり、多くのダイバーが集まることから有力な観光資源となっている。一方、色鮮やかなサンゴで作られた宝石や仏像は人気が高く、高値で取引されており、特に中国人観光客の訪台数がピークを迎えた数年前には台湾の市場規模が年間100億台湾元にも上った。
業界関係者によると、宝石などに使用されるサンゴには「血赤珊瑚」、「桃色珊瑚」、「白珊瑚」などがあり、価格は光沢や大きさなどによって異なるという。中でも台湾人や中国人観光客の間では血赤珊瑚の人気が高く、これで作られたネックレスや仏像は数百万台湾元以上、最上級のものでは1億元を超える値が付くこともあるそうだ。
こうした中、台湾ではサンゴの乱獲を防ぐため、2009年にサンゴの採取に許可性を導入。現在台湾全土で採取が認められている漁船は60隻で、操業は年間220日以下、1日の採取量は200キログラム以下と定められている。
しかし、それでも法律を犯して密猟に手を染める者も多いようで、2015年9月に北部海岸でハンマーやノミを使って242株のサンゴを採取したダイバー2人が逮捕、昨年3月には東沙島で1万5,000キロのサンゴを密漁した中国籍の漁船が検挙された。今年6月にも台東県富山村の海岸で47キロを密漁しようとしていた者が逮捕された。
なお漁業署の統計によると、12~16年にサンゴの密猟で検挙された台湾の漁船はわずか2隻となっているが、これは氷山の一角にすぎないとみられる。特に海岸線が長く、人家の少ない恒春半島の墾丁海域では密猟が横行しており、その多くは人目をしのんで夜間に海に潜り、ハンマーやノミを使って採取しているという。
政権交代による中台関係の冷え込みを受けて中国人観光客の数が急減し、市場規模は十数億元まで縮小しているとされるが、ダイビング愛好家は、かつてのような美しいサンゴ礁を目にする機会が減っている反面、潜るたびにノミで削られたサンゴの跡を見かけるケースが増えたと指摘。さらに魚の種類もますます減っているそうで、このまま放置すれば台湾周辺海域の環境が取り返しのつかないダメージを受けるかもしれない。
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