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ノービザの弊害、タイ人売春婦が急増


ニュース 社会 作成日:2017年10月17日_記事番号:T00073422

ノービザの弊害、タイ人売春婦が急増

 民進党への政権交代後、中台関係の冷え込みを背景に中国人観光客の来台が急減した中、政府は昨年8月、タイ、ブルネイ国籍の旅客に対し、30日のノービザ(査証免除)滞在を試験開放した。これによりタイ人の来台者数は大幅に増加した反面、弊害も表面化している。特に台湾で売春行為を働く女性や性転換者の数が急激に増えており、政府に効果的な対策を講じるよう求める声が上がっている。

 統計によると、今年1~8月のタイ人の来台者数は前年同期比73%の大幅増となった。一方、台湾で売春行為を働いて検挙されたタイ人女性の数は今年は1~7月だけで122人と、2015年の1人、16年の15人から急増した。

 タイ人女性による台湾での売春は、20年余り前にも増加したことがある。当時、「仕事熱心」で容姿に優れたタイ人売春婦は人気を呼んだそうだが、エイズ感染のまん延が問題となり、入境管理が厳格化されたことを受けて「ブーム」は下火になっていったという。

 その後、台湾の外国人売春婦はベトナム人女性が大半を占めるようになったが、昨年のノービザ実施で当時の活況を思い出したのか、風俗業者が大勢のタイ人女性を売春目的で台湾に呼び寄せているようだ。

 なお現在の「相場」では、タイ人女性の基本料金は3,500台湾元前後とベトナム人よりも若干高いが、中国人や韓国人の5,000~1万元に比べると安い上、タイ人は容姿の良さ、温和な性格が評判となり、台北市、新北市を中心に「市場シェア」を拡大している。

 こうした状況に対し、国民党の立法委員などは「安易なノービザ実施により、風紀の乱れや治安の悪化が目立つようになった」と批判し、有効な対策を講じるよう要求している。

 これに対し内政部移民署(移民署)は16日、タイ人全体の来台数増加率に比べて売春婦の増加率が特に高いわけではないとした上で、既に1年に3~4回台湾への入境を繰り返し、1回の滞在が20~30日におよぶ若い女性などを対象に審査を強化していると説明した。