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時効まで2カ月の強盗事件犯人、刑務所で被害者と鉢合わせ


ニュース 社会 作成日:2017年10月24日_記事番号:T00073549

時効まで2カ月の強盗事件犯人、刑務所で被害者と鉢合わせ

 20年近く前、強盗を働いた男がこのほど別件で有罪判決を受け、刑務所に収容された。すると、かつて金を奪った相手が偶然同室に。強盗事件の時効成立までわずか2カ月ながら、自首せざるを得ず、追加で処罰を受けることとなった。

 張火龍受刑者(51)は1997年8月、麻薬を購入するために張受刑者の元を訪れた麻薬販売人の少年(当時19)を刃物で脅し、8,000台湾元を奪い取った。少年は麻薬の違法取引だったためか警察に通報しなかったようで、その後2人が顔を合わせることはなかった。

 張受刑者はその後、麻薬がらみの事件で刑務所に出入りを繰り返した後、昨年7月、訓練中のレース用ハト30羽近くを盗み、飼い主から身代金を奪ったとして逮捕され、懲役8年の有罪判決を受けて再度収監された。

 一方、20年前に張受刑者による強盗被害に遭った少年も、麻薬の使用で前科を重ね、昨年11月にヘロインなどを所持していたところを現行犯逮捕され、刑務所に収容された。

 既に中年となっていた被害者の元少年は、同室になった張受刑者の顔に見覚えがあると感じた。記憶をたどった結果、かつて自分から金を脅し取った男と気付き、当時の怒りを思い出し、告訴すると告げた。張受刑者は、強盗事件の時効が成立する2カ月前というタイミングながら、今年6月に自首を迫られることとなった。

 20年前の強盗事件で起訴された張受刑者に対し裁判所は、盗んだ金額が大きくない上、受刑者の父親から既に返還されたこと、さらに被害者が被告を許し、刑の軽減を申し立てたことなどから、求刑より軽い懲役2年6月の判決を言い渡した。

 犯罪者同士のこの訴訟、最大の被害者は裁判に費やされた税金を支払った納税者かもしれない。