ニュース 社会 作成日:2017年10月27日_記事番号:T00073629
今月18~24日に北京で開催された中国共産党の最高機関、中国共産党全国代表大会(第19回党大会)に、高雄市出身の大学教授、盧麗安氏(女性)が台湾代表に選出されたことが注目を集めたが、台湾政府は「両岸人民関係条例」の規定に基づき、彼女の台湾戸籍を抹消していたことが明らかとなった。
盧麗安氏。ネット上では「台湾籍剝奪は当然」との声が多く上がっている(上海市台湾同胞聯誼会サイトより)
盧氏は、1968年に高雄市で生まれ、政治大学西洋語文学系を卒業した後、英エジンバラ大学に留学。さらにグラスゴー大学で文学と哲学の博士号を取得した。
英国で研究生活を送っていた97年、中国政府から復旦大学に講師として招聘(しょうへい)され、上海へと渡り、中国籍を取得した。大学で英文学などの研究を進める中で副教授、教授へと昇格した彼女は、中国人民政治協商会議・上海市委員会の委員を務めるなど政治的な活動も行うようになり、15年には中国共産党に入党、今回台湾代表として党大会に出席した。
台湾で生まれ育った人物が初めて共産党大会の代表に選ばれたことは台湾で大きな関心を集め、彼女に対し「裏切り者」などと厳しい批判の声も上がった。一方、彼女はメディアを通じ「台湾を愛する者が大陸(中国)を愛することはもちろん可能だ」と語り、「敵対した時代の古い意識を乗り越えられると信じる」と強調した。
しかし、行政院大陸委員会(陸委会)は今月5日、両岸人民関係条例では「台湾の市民が中国大陸に戸籍を登録したり、パスポートを取得した場合、台湾市民としての身分を失う」と警告。その後、彼女が既に中国で戸籍を登録していたことが判明し、台中市の台湾戸籍を抹消した。
また同条例では台湾の市民が中国で公職に就くことを禁じているが、国家安全局(国安局)の調べによると、現在、131人の台湾出身者が中国で公職に就いており、さらにこのうちの少なくとも2人が中国共産党の正式な役職に任命されていることが分かっている。
この131人について国安局に個人情報保護の立場からリストは公表しないとしているが、民進党の立法委員は、リストを公開しなけれな立法院が監督することができず、こうした人物を通じて中国が統一工作を進めることを防ぐことができないと指摘。明らかに国家の安全にとって利益となるリストを公開しない理由はないと批判している。
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