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下半身まひの男性、障害バネに200件以上の発明


ニュース 社会 作成日:2017年10月31日_記事番号:T00073679

下半身まひの男性、障害バネに200件以上の発明

 幼いころに下半身まひの障害を負いながら、そのハンデをバネに努力を続け、200件もの発明を考案して「発明王」とまで呼ばれるようになった人物がいる。

 劉大潭さん(62)は3歳の時に期限が切れたポリオワクチンの接種を受けたことが原因で下半身不随となり、歩くことができなくなった。当時、家が貧しかったため車椅子を購入できず、劉さんは地面を這って移動するしかなかったそうだ。

 そんな彼は近所の人から「犬のようだ」などと嘲笑され、さらには「大人になっても物乞いになるしかない」などと心無い言葉を浴びせられたという。

 しかし「人に笑われたことが前に進むエネルギーとなった」という劉さんは、小学校、中学校、高校を全てトップの成績で卒業。特に台中工業高級中等学校(台中高工)で機械製図を学んでいた際には、技能コンテストで金賞を受賞した。

 人に負けない技術を身に付けたと自負し、就職もそれほど難しくないだろうと考えたが、実際に入社試験を受けてみると能力よりも外見で判断する企業が大半で、200社以上の面接を受けてようやく就職先が見つかった。

 自分を雇う企業はほとんどないという現実を思い知った彼は、就職した会社で人一倍努力を重ねた結果、どんどん昇格し、最終的には研究開発(R&D)部門のマネジャーまで上り詰めた。

 そんな劉さんは30年ほど前、移動の便を良くしようと、設計図を描き、廃棄物回収場で数百元で購入した部品で、自分専用の四輪車を作り上げた。この発明をきっかけに、自動車の運転を可能にする装置など自らの不便を解消するための発明品を次々と生み出していった。そして、発明の対象を自分だけでなく、他人が抱える問題の解決にまで拡大。1989年には全国発明展で、火災の際に高所から避難するための緩降機が1位に選ばれ、さらに90年には同発明がジュネーブ国際発明展でも金賞を受賞した。

 なお劉さんはこれまで考案した200件を超える発明について、身障者や病人、高齢者を支援する目的であれば模倣しても構わないと語っている。

 劉さんはその後、自ら発明した緩降機を製造販売する企業を設立し、董事長として活躍している。現在、人生最後の夢として、身障者が給与を得つつ、訓練を受けるための工場を建設しており、今年末に完成予定だ。