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台北ドーム問題、迷走の様相


ニュース 建設 作成日:2017年11月1日_記事番号:T00073694

台北ドーム問題、迷走の様相

 遠雄企業集団(ファーグローリー)を舞台とした背任・贈賄事件のうち、同社がBOT(建設、運営、譲渡)方式で事業権を獲得した台北文化体育園区(通称・台北ドーム)をめぐる事件では、元台北市政府財政局長の李述徳被告(65)が当時の馬英九台北市長の意向を受け、遠雄集団が支払うべき権利金30億4,200万台湾元(約115億円)を免除していたとして起訴された。これにより、台北ドーム問題はさらに迷走が避けられない見通しとなった。1日付蘋果日報が伝えた。

 台北ドームは安全性の問題から工事が中断したまま、いまだに完成しておらず、台北市政府も裁判の動向を注視している。

 今回の事件では、遠雄集団董事長の趙藤雄被告(73)ら父子3人が起訴されており、台北市政府は交渉のカウンターパートを失った状態だ。遠雄集団は湯佳峯総経理を交渉担当者とする構えで、陳景峻副市長は「速やかに細部を詰めた上で、湯氏と今後の対応を協議することになる」と述べた。

 柯文哲台北市長は「状況はさらに面倒なことになった」と述べ、事業者変更の可能性について、「台湾は法治国家であり、法律に基づけば、変更は容易ではない。独裁国家であれば、既に遠雄を外している」と語った。

 台北市都市設計審議会の幹事会に上程された台北ドームの工事再開案は、修正が必要だとして却下が決まっている。遠雄集団の広報担当者は「ドームはまだ長い道のりを歩むことになる」と状況の行き詰まりを認めた。