ニュース 社会 作成日:2017年11月1日_記事番号:T00073705
台湾では10月、路線バスの運転手が走行中に突然意識を失ったことによる事故が相次いで3件も起きており、各県市はバス会社に対し、運転手の健康管理を強化するよう要請するなど対策に当たってる。
新荘区の事故では、車両が激しく焼けた。運転手は今年4月にバイクと事故を起こして大けがを負っていたという(31日=中央社)
台南市では10月9日、興南汽車客運の運転手(42)が走行中に突然心肺停止状態に陥り、コントロールを失った車両が道端の鉄柱に激突。乗客6人が負傷する事故となった。
さらに14日にも同じ台南市で府城客運の運転手(40)が走行中に意識不明となってハンドルにうつ伏せ状態となるトラブルが発生。道沿いの建物に車体をこすりつけながら30メートルほど進んでようやく止まった。幸い当時、乗客はおらず、歩行者にもけがはなかったが、周辺に駐車していた自動車5台が被害を受けた。運転手は病院に搬送されたものの死亡した。
さらにきのう(31日)の早朝、新北市新荘区を走行していた三重客運の運転手(41)が突然意識不明に陥り、車両が道路脇のビルに激突し、炎上する事故が発生。今回も客は乗っていなかったが、運転手は足を骨折したほか、体の複数カ所にやけどを負った。
運転手の体調不良を原因とする事故が相次いだことを受けて台南市政府は、来年より運転手に年に1度の健康診断を義務付けることでバス会社と合意した。さらに、会社側が健康リスクの高い運転手をリストアップして毎年の検診結果を追跡し、改善が見られなければ市政府が検査業務などリスクの低い業務に配置換えするよう指導できる体制を構築する。
これに対し運転手からは、「他の業務に欠員がなければ職を失うのではないか」と懸念する声も出ているが、一方で健康に問題があれば他人に迷惑を掛ける前に自分で他の仕事を探すべきとの意見も上がっている。
このほか、高雄市や台北市も、バス会社に対し運転手の心身の健康に関する管理体制や、運転手の休憩施設や運動施設の充実を、路線申請の際の評価項目に含める方針を示している。
先月、事故を起こした運転手はいずれも40歳過ぎ。体力に陰りが見えて大病をしやすい年ごろでもあり、大切な乗客の命を預かる職業柄、若い頃と同じ感覚で自分の体を過信せず、健康管理に努めてほしいものだ。
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