台湾独立運動家として知られる史明氏（98）＝本名・施朝暉＝が今月９日で数え年で100歳を迎えるのを前に、独立派団体が５日、台北市の凱達格蘭大道で祝賀会を開き、蔡英文総統が事前発表なしで来賓として出席。祝賀のメッセージカードを直接手渡した。６日付自由時報が伝えた。
蔡総統（左）は史明氏（右）の耳元に口を寄せ、祝賀を伝えた（５日＝中央社）
蔡総統は「史明氏が人生を通じ、理想を堅持すれば、必ず尊厳を勝ち取れることを台湾人に証明してくれたことに感謝する」と祝賀メッセージを読み上げ、５分ほどで退席した。
史明氏は祝賀会の前に取材に応じ、「蔡総統が群衆路線を堅持し、台湾人自身が（台湾の）主となる方向に導くことができることを望む」などと語った。
史明氏は1918年に日本統治時代の台北州士林で生まれ、早稲田大学を卒業。戦後は台湾独立運動に身を投じ、中国国民党の弾圧を避けて日本に渡り、『台湾人四百年史』を著すなどした後、台湾の民主化を受け、93年に帰郷し、活動を続けてきた。
