ニュース 社会 作成日:2017年11月6日_記事番号:T00073785
バイク通勤中に交通事故に遭って奇跡的に命を取り留めた放送記者の男性がこのほど、瀕死の重傷を負って倒れていた自分に心肺蘇生法(CPR)を施した後、名乗りもせずに立ち去った恩人を半年がかりで見つけ出し、直接感謝の言葉を伝えることができることになった。
張さんは傅さんが助かったことを知って「本当にうれしい」と語った(5日=中央社)
大手ニュース専門チャンネル、三立新聞台で記者を務める傅家慶さん(35)は今年5月4日午前9時40分ごろ、バイクで職場に向かう途中、新北市中和区の路上でトラックと衝突する事故に遭った。当時、傅さんは右足の大腿動脈が破裂し、大量に出血。意識を失って倒れた。
すると近くを通り掛かった別のトラックの運転手が、これを見てすぐに自分の仕事を放り出して傅さんの元へ駆け付け、心肺機能が低下していることに気付くや、ただちにCPRを開始。必死の救命活動を続け、3~4分後に通報を受けて駆け付けた救急隊と交代した後、彼は自分の名も告げずにその場を立ち去った。
その後、傅さんは心肺停止状態に陥ったものの、奇跡的に一命を取り留めた。そして事故の傷も癒え、9月中旬に退院した彼は、自分を救ってくれた恩人たちに感謝の気持ちを伝えることにした。
事故当時、彼を搬送した救急隊員、救命治療に当たった医師や看護師の元を訪ね、「あなた方の仕事の努力のおかげで助かったことを伝えたかった」と、ひざまづいて感謝の言葉を述べた。
しかし、彼の命を救う鍵となった、最初にCPRを施してくれた男性については一向に身元が分からなかったが、このほど新北市消防局を通じてこの人物が同市で消防ボランティアを務める張慶龍さん(42)だと判明。近く、張さんの元を訪れて感謝を伝えることとなった。
普段は使い捨て食器メーカーで配達業務を手掛ける張さんは、事故当時を振り返り、「早く手当をしなければという一心だった。配達は遅れてもせいぜい怒られるだけだからね」と語り、「本当は騒がれたくなかったのだけれど見つかってしまった」と照れた。
張さんは小さいころに家が火事に遭った時、消防隊員の素早い対処で家族が無事に済んだ経験から消防士を志したが、試験に失敗して別の仕事に就いた。しかし、家計が安定すると救急救命士の資格を取り、消防ボランティアの一員として活動。15年に復興航空(トランスアジア航空)の旅客機が基隆河に墜落した事故の際も、現場に駆け付け被害者の救出活動に当たったという。
見返りを求めずに人助けをする張さんのような人、そして受けた恩にきちんと感謝を伝える傅さんのような人が増えれば、社会はもっと思いやりがあふれる場所となるに違いない。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722