ニュース 社会 作成日:2017年11月8日_記事番号:T00073836
離島の金門島にある衛生福利部(衛福部)金門医院の産婦人科主任を務める陳根雄医師(51)は、医者不足の同島でかつては産婦人科医が1人という苦況にも見舞われながら、26年にわたり同医院で勤務を続け、これまでに取り上げた赤ちゃんの数が6,000人を超えた。そんな陳医師の功績を称え、衛福部はこのほど彼に「模範医師賞」を授与した。
「素晴らしい医者」と評判の陳根雄医師。忙しいながら充実した26年間だったに違いない(7日=中央社)
金門出身の陳医師は、公費を受けて台北医学大学を卒業した後、規定に従い遠隔地で10年間の勤務に就くことになった際、故郷に帰ることを選択した。
金門では毎年400~500人の新生児が誕生するが、島内には産婦人科が金門医院にしか存在せず、妊婦は例外なく同医院の門をたたくことになる。
にもかかわらず6年前、同医院に陳医師しか産婦人科医がいないという状況に陥り、当時、彼は朝から晩まで休む間もなく仕事を続けた。妊婦が産気づいたらすぐに対処できるよう、1カ月に20日間も病院で寝泊まりしていたそうで、「セブン-イレブンよりも忙しかったよ」と振り返る。
なお、あまりの忙しさから家を空けることの多かった陳医師は、妻から何度も自宅で開業してほしいと詰め寄られたという。しかし、彼が開業を考えているといううわさが伝わると、金門県長や多くの県議が直ちにやって来て思いとどまるよう説得したという。
金門のほとんどの女性の出産に立ち会った陳医師は、島内で安産の神様「註生娘娘」の称号を与えられるほど尊敬を集めており、彼がレストランで食事をすれば、知らない間に誰かが会計を済ませてくれることも多いそうだ。
また、彼の同級生が島内で空港へ向かう際、タクシーが見つからずヒッチハイクするしかないという状況に陥り、近くを通り掛かった車のドライバーに声を掛けたところ、陳医師の友人と分かるやすぐに乗せくれたという逸話もあるという。
陳医師は模範医師賞の受賞に当たり、「今の最大の願いは遠隔地の医療の改善に政府がより多くの資源を投入すること」と語っている。1人の医師がこれほどの有名人にならない状況こそが、本来は望ましいだろう。
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