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中信エレファンツ大揺れ、球団解散も?


ニュース 社会 作成日:2017年11月9日_記事番号:T00073864

中信エレファンツ大揺れ、球団解散も?

 プロ野球の人気球団、中信兄弟エレファンツが大きく揺れている。球団は6日、今季打率3割以上をマークした主力の蒋智賢内野手(29)、張正偉外野手(31)ら7選手と来季の契約を結ばないことを発表した。翌7日には、クリーンアップを務める人気選手、林智勝内野手(35)に野球賭博にかかわった可能性が報じられ、最悪の場合、球団解散に発展するとの見方すら出ている。

 エレファンツの問題が明るみになったのは10月中旬、林智勝、蒋智賢、張正偉らの主力を含む一軍10選手を、ポストシーズンの試合に参加させないとの球団の発表によってだった。依然台湾シリーズ優勝の可能性があった中での措置にファンは騒然となった。6日に放出が決まったのはこのうちの7選手だ。

 契約打ち切りの原因は選手たちの素行不良にあるとされる。昨年、主要打撃部門のタイトルを争った蒋智賢選手は、既婚ながら女性ファンとの不適切な交際が疑われた。張正偉選手も若い女性と不倫をして、妻に対して暴力的な行動をしたと伝えられる。真っ先に契約打ち切りが決まった陳鴻文投手は、頻繁に車を換えたり、不明瞭な資金の提供を受けたとのうわさが出ている。

 現在、最も注目されているのは林智勝選手の動向だ。2015年の世界野球プレミア12で台湾チームのキャプテンを務め、キューバ戦では決勝3ランホームランを放って同国に対する29年ぶりの勝利に貢献、人気を不動のものとした。その林選手に、野球賭博にかかわった疑惑が出ている。林選手は8日、記者会見を開いて潔白を主張したが、台湾球界で過去に八百長にかかわった選手たちも同じように潔白を訴えており、言葉だけでは世間を納得させることはできない。

/date/2017/11/09/18kakomi_2.jpg林智勝選手は目に涙をためて潔白を訴えた。「汚れた英雄」にならなければよいが(8日=中央社)

 中信兄弟は4年前、兄弟大飯店(ブラザー・ホテル)が球団の赤字を支え切れなくなり、中国信託金融控股(中信金、CTBCフィナンシャル・ホールディング)が経営を引き継いでいる。今回、問題の選手たちを切ったのは、既に捜査当局が動いているとの情報があり、大手金融業者として最も重要な信用を守るための予防措置とみられている。

 中信金はかつて、中信ホエールズという球団を所有していたが、複数の主力選手が野球賭博に関わり球界追放処分を受けたたため、08年に解散している。エレファンツオーナーの辜仲諒氏は、仮にチームで同様の事件が起きた場合、ホエールズと同様、解散をいとわないとみられており、その場合、台湾プロ野球創成期から続く人気チームが姿を消すことになる。今回の事件がどのような展開を見せるか、関係者やファンは固唾(かたず)を飲んで見守っている。