ニュース 社会 作成日:2017年11月16日_記事番号:T00073996
台湾海軍の掃海艇を受注した慶富造船が総統府を通じ、海軍に掃海艇建造代金24億台湾元(約90億円)の支払いを繰り上げるよう直接依頼していたとされる録音ファイルが公表された問題で、総統府は15日深夜、慶富造船の陳慶男董事長と陳偉志副董事長が2010年以降、6回にわたり総統府を訪れていたとする記録を公表した。16日付蘋果日報が報じた。
陳偉志副董事長は15日、メディアに対し、「昨日うなずいたのは、総統府を見学したことがあるという意味だ」と語った(15日=中央社)
総統府は慶富造船に不正な便宜を図ったことを連日否定しているが、訪問記録の公表は事実関係を透明化し、捜査機関に疑惑解明を委ねる狙いがあるとみられる。
訪問記録は馬英九政権下で5回、蔡英文政権下で1回だった。総統府の林鶴明報道官によれば、最後の訪問は昨年9月23日で、新南向政策弁公室の黄志芳主任、李南陽・第3局局長が応対したという。会談内容は大半が東南アジア投資に関することで、黄主任は「雑談時に陳慶男董事長が海軍の艦船建造計画は契約条件が厳し過ぎると話していたが、職責とは無関係なので何も答えなかった」と説明しているという。
林報道官は「総統府の訪問記録は複数のシステムに分散しているが、引き続き精査し、資料を政風処による調査報告と共に司法機関に提出する」と説明した。
検察は15日、陳偉志副董事長から事情聴取を行ったが、現時点で陳偉志副董事長が高雄市政府の王瑞仁海洋局長らと会った際に「総統府に話を通した」などと語った部分については、誇張されたものだとの見方を強めている。
国防部、不正流用を否定
一方、国防部は今回、掃海艇建造代金を慶富造船に繰り上げ支給するため、陸海空軍の予算を不正に流用したと批判されている。国防部は慶富造船による艦船建造が予定スケジュールよりも早まったため、契約違反を回避するために予算を流用したとの立場だ。
これについて、国防部の陳宝余副参謀長兼執行官は立法院での答弁で、「海軍が不正を行ったことはあり得ず、実際に違法行為があれば辞任し、捜査を受ける」と反論した。
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