ニュース 社会 作成日:2017年11月27日_記事番号:T00074174
環境問題を訴えた2013年公開の空撮ドキュメンタリー映画『看見台湾』は、台湾各地で進行する山林開発や河川の汚染といった環境破壊を白日の下にさらして話題を呼んだが、近年ドローン(小型無人機)による空撮が犯罪捜査や火災の消火活動に導入され、大きな成果を挙げている。
台南市で15年7月、男が賭博絡みのトラブルから、薬物を使って知人2人を昏睡状態にさせた上で、ドラム缶に入れて窒息死させ、山中に逃亡した。現場は竹林に囲まれ、通り道も複雑だったため、警察が大量の捜査員を投入しても男を取り逃がす可能性が高かった。このため、警察はドローンを出動させ、まず空中から現場周辺を偵察。その結果、犯人が山中のハト小屋に身を隠していることを確認。空撮映像を基に地形図を作成し、見事逮捕に至った。
また雲林県では先ごろ、廃棄物の違法な放置が疑われながら、立ち入り捜査を拒んでいた業者の土地に対し、ドローンによる捜査が行われた。その結果、空撮映像が証拠となり、10年以上にわたり不法に汚泥などを受け入れて1億5,000万台湾元(約5億6,000万円)の利益を得ていたとして地元の有力者が逮捕された。
このほか南投県でも9月に、山間部での大麻栽培の摘発にドローンが活躍した。ベテラン警察官によると、従来は山間部の違法な砂利採取や不法投棄、遠隔地に開設された賭博施設などは、証拠の取得が難しく、捜査が進まないケースが多かった。しかし、静音設計のプロペラを備え、400メートル上空から撮影可能なドローンの導入で、相手に気づかれることなく重要な証拠を集められるようになった。
ドローンは消防隊の消火活動でも活躍している。台中市は今年7月、「ドローン消防分隊」を創設。20万元をかけて、温度を分析し、映像化することができる赤外線カメラを装着したドローンを導入した。同分隊の楊冠威隊長は、「空撮により火災現場の温度分布が明らかになることで、指揮官の状況判断や消防隊員の配置に役立つ」と説明している。
人が入りにくいところを撮影できるドローンによって、犯罪捜査にさらに革命的な変化がもたらされそうだ。今後、治安維持や安全のために活動するドローンの姿を上空に見かけることが珍しくなくなるかもしれない。
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