ニュース その他分野 作成日:2017年11月28日_記事番号:T00074185
国家発展委員会(国発会)が27日発表した10月の景気対策信号総合判断指数は23ポイントで、5月から続いていた上昇傾向が一転、前月比5ポイントの大幅下落となった。景気対策信号は3カ月連続で「緑(安定)」を維持したものの、もう1ポイント下がれば「黄青(後退傾向)」となっていた。国発会は、先行指数と一致指数は5カ月連続の上昇で、景気は後退に転じていないと強調しつつも、従来ほどの力強さがないと指摘した。台湾景気の拡大局面は終わりに近づいているようだ。
28日付工商時報は、10月の景気対策信号総合判断指数は本来22ポイントで「黄青」に転じるはずが、国発会が「緑」を維持するために季節調整の名目で意図的に23ポイントに押し上げたとの見方を報じた。
台湾経済研究院(台経院、TIER)が24日発表した10月営業気候観測指数は、製造業、サービス業、建設業のいずれも下落しており、企業の間で景気に対する悲観的な見方が強まっている。一方で、行政院主計総処が同日発表した2017年域内総生産(GDP)成長率予測は2.58%と過去3年で最高、18年は2.29%で、朱沢民主計処長は「まだ山の頂上に達していない」とコメントし、景気拡大局面が続くとの見方を示した。
「定期点検で一時的状況」
10月の総合判断指数を構成する指標9項目の内訳は、製造業販売量指数変動率が2ポイント下落し、「黄赤(過熱傾向)」から「黄青」に転じた。製造業営業気候測験点は1ポイント下落し、「黄赤」から「緑」に、工業生産指数変動率と卸売・小売・飲食業売上高変動率も「緑」から「黄青」に転じた。
国発会経済発展処の呉明蕙処長は、製造業販売量指数変動率と工業生産指数変動率の下落は、大手鉄鋼メーカーの定期点検のための高炉停止が主因と説明した。
その他の項目は前月と同じで、株価指数変動率は「黄赤」、輸出額変動率、機械・電機設備輸入額変動率が「緑」、M1B(現金通貨と預金通貨)変動率、非農業部門の就業者数変動率は「黄青」だった。
先行指数である領先指標の10月の数値は101.58ポイントで0.26%上昇、一致指数の同時指標は102.89で0.5%上昇した。ただ、過去5カ月の累計はそれぞれ1.03%上昇、2.86%上昇にすぎない。
政策効果の期待強調=国発会
今度の展望について呉処長は、台湾政府が産業界を取り巻く「5つの不足」(水、電力、用地、労働力、人材)への対策を講じ、投資環境の整備、規制緩和を進めていることや、軍人・公務員・教職員(軍公教)の給与引き上げに民間企業が呼応し、給与水準を引き上げ、投資を促進することが、内需振興、ファンダメンタルズ(基礎的条件)改善につながると説明した。
また、大型インフラ整備計画「前瞻基礎建設計画」、重点産業振興政策「5プラス2産業創新計画」の推進により、民間投資を刺激することで、労働市場の改善、株式市場の活性化、個人消費の勢いを維持できると指摘。各シンクタンクが今年と来年の経済成長率予測を上方修正しており、台湾景気は回復が続き、今後もやや楽観できるとの立場を強調した。
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