ニュース 社会 作成日:2017年11月29日_記事番号:T00074223
航空機墜落事故の遺族が法律に対する無知から苦しい立場に立たされる場面を目にしたことをきっかけに、客室乗務員から弁護士に転身した女性がいる。セクハラの被害に遭ったり、親族がひき逃げに遭ったりと相次いで困難に見舞われながらも、正義を貫こうと奮闘している。
旅行好きだった聶瑞瑩さん(42)は大学卒業後、中華航空(チャイナエアライン)の客室乗務員となった。しかし2002年、香港行きの便が台湾海峡上空で空中分解し、乗客・乗員225人全員が死亡する事故が発生。同期2人も巻き込まれて犠牲になったことにショックを受けて離職した。
聶さんは当時、航空事故が発生し、大切な家族を失った上、法律の知識がないため慰謝料を受け取れるかどうかも分からず途方にくれる遺族の姿に強い印象を受けた。そして、これをきっかけに法律を学ぶことを決意。大学の修士課程で法律を専攻し、弁護士となるため司法試験に向けた準備を進めた。
ところが、聶さんが勉学に励んでいたある日、図書館で男子学生からセクハラを受けた。その後、聶さんは男子学生を訴えたが、裁判官から「体を触られただけだ。有望な学生の未来が台無しになる」などとして和解を勧められた。
男子学生が執行猶予処分となったことに失望した聶さんはショックで突発性難聴を患い、左耳の聴力が半分以下に低下したが、同時にその日、「100年かかっても弁護士になる」と心に誓った。
翌年、努力が実り、司法試験に合格。しかし、弁護士となった聶さんをさらなる悲劇が襲う。12年、妊娠中だった弟の妻が自動車を運転中に大型トラックに追突され、ひき逃げされてしまう。義妹は開腹手術を受けて胎児を取り出した後、植物状態となってしまった。
後に逮捕されたトラック運転手は、追突に気付かなかったと言い張った上、賠償能力もなかったことから、聶さんや弟は治療費を捻出するため、資産を抵当に入れるなどして資金集めに奔走。追い詰められた彼女は一時、自殺も考えた。その時、医師から「弁護士のあなたが何もできないなら、他の人はどうすればいい?」と言われ、思いとどまった。
その後、ひき逃げに対する処罰が懲役6月という軽いもので、罰金の支払いで代替可能だということを知り、厳罰化推進運動を開始。聶さんらの活動が社会を動かし、懲役1年以上、かつ罰金による代替不能とする法改正が実現した。
数々の困難を乗り越えてきた聶さんなら、困っている人々の強い味方の弁護士として活躍を続けてくれるに違いない。
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