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「観光工場」乱立、安全面で懸念も


ニュース 社会 作成日:2017年12月5日_記事番号:T00074327

「観光工場」乱立、安全面で懸念も

 産業文化を伝えるなど教育的価値の高い工場が、観光客を受け入れられるよう、経済部が「観光工廠(観光工場)」の認定制度を始めたのは今から14年前。これが話題を呼び、多くの工場が登録を行ったが、中には認証を受けないまま「観光工場」を名乗ったり、認定期限を迎えた後も再審査を受けずに観光客受け入れを続けている工場が横行しており、安全面を懸念する声が上がっている。

 経済部工業局の游振偉副局長によると、「観光工廠」の認証を取得するには消防上の安全基準を満たすなど5項目に関する審査に合格する必要がある。現在、全土で133カ所の工場が認証を取得し、観光客に工場見学や資料展示、DIY体験などのサービスを提供しており、中には観光名所化している工場も存在する。

 しかし一方で、ブームに便乗する形で勝手に「観光工廠」を名乗ったり、不合格になることを懸念して認証期限となる3年が過ぎても、再審査を受けないまま営業を続けている工場も数多く存在し、中には単なる手芸教室やセール会場となっている施設もある。

 このため質の悪い観光工場が増えれば、「正統」な工場の評価にも影響が及ぶと懸念した経済部は、各県市政府に対し、認証未取得の工場に対し、「観光工廠」の名称を使用しないよう指導を求める通知を行っている。ただ、認証を取得せずに「観光工廠」を名乗ってはならないとの法的根拠はないため、政府としては使用を止めたり、認証取得を強制することはできないという。

 しかし一方で、専門家は「工業園区内の工場では生産のみ認められ、商品の販売を行うことはできない」と指摘。認証未取得の観光工場では多くが販売を行っていることから、法に基づいて管理することは可能だとして「地方政府が目をつぶっているだけだ」と批判している。

 観光工場を訪れる際は「がっかり工場」に当たらないためにも、経済部のサイトで認証取得の有無を事前に確認した方がよいかもしれない。