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卵子の凍結保存が年30%増加、晩婚化も背景に


ニュース 社会 作成日:2017年12月8日_記事番号:T00074405

卵子の凍結保存が年30%増加、晩婚化も背景に

 台湾では将来的な出産に備え、卵子を凍結保存する女性が毎年20~30%のペースで増加している。疾病を原因とする医療上の問題から卵子の保存を選択するケースが依然として9割近くを占めるものの、晩婚化が進む中、高齢出産のリスクを抑えるため、若いうちに卵子を残しておこうと考える健康な女性も増えているようだ。

 国民健康署の統計によると、台湾で人工授精を手掛ける医療機関83カ所の全てで卵子の凍結保存サービスが提供されている。うち台北栄民総医院では、2012年に6人だった同サービスの利用者が15年には51人に、さらに昨年は前年の約3.6倍に当たる184人へと急増した。

 不妊治療の権威、茂盛医院の李茂盛院長は、高齢で妊娠しようとした場合、受精卵が着床しにくくなるほか、妊娠した場合も新生児がダウン症や奇形を持って生まれてくる確率が高くなるため、子供を生みたいと考える女性は早めに結婚するか、若い時に卵子を凍結するなどの準備を行った方がよいと指摘。このため、仕事で忙しく結婚できない、または今は結婚したくない、といった女性が卵子の凍結保存を選択するケースが増えているという。

 なお卵子の凍結を選択する台湾女性の年齢は30~46歳とさまざまだが、35歳を過ぎてから検討するケースが大部分だという。しかし、冷凍技術の進歩により、保存期間の長さが卵子の質に影響を及ぼすことはほとんどないものの、年齢が高くなればなるほど取り出せる卵子の数が減り、受精率も低下するそうだ。一般的に20歳で凍結保存した場合は、卵子20個のうち1個の確率で受精に成功するが、35~38歳で保存した場合は30個に1個、40歳以上なら50個に1個と確率が低下するという。

 さらに30歳で卵子を取り出す場合は一度で済む施術が、35歳の場合は2度、40歳は3度必要となることから、医師はなるべく早い時期に保存を行うよう勧めている。