ニュース 電子 作成日:2017年12月11日_記事番号:T00074409
11日付経済日報によると、アップルはスマートフォン前モデルiPhone7シリーズの生産を、来年上半期用に2,000万台追加で発注したようだ。iPhone旧機種への大規模な追加発注は初めて。iPhone7シリーズは、今年の新機種iPhone8、iPhone8プラス、iPhoneX(テン)の発売に伴って値下げされたことでコストパフォーマンスが高まり、消費者の購入意欲を刺激している。金属筐体最大手の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)、カメラレンズ最大手の大立光電(ラーガン・プレシジョン)、組み立ての和碩聯合科技(ペガトロン)などが恩恵を受けそうだ。
販売業者によると、iPhone7は台湾販売価格が128GB(ギガバイト)で2万3,500台湾元(約8万9,000円)と、iPhone8が64GBでも2万5,500元するのと比べ、コストパフォーマンスが高まり、iPhone8発売後の方がよく売れている。iPhone旧モデルが新モデルより人気が出るのは初めてのケースだ。
iPhone8シリーズは高価格でコストパフォーマンスが悪いため人気が出ず、アップルがサプライヤーへの発注を削減したとの市場観測が出ている。一方、iPhone7シリーズは、生産ラインの減価償却が終わっており、歩留まり率は100%近く、生産コストはiPhone8シリーズ、iPhoneXより非常に低く、粗利益率が高い。このため、iPhone7シリーズの追加受注で、サプライヤーは出荷するほど利益が出る。
iPhone7シリーズのサプライヤーは、キャッチャー、ラーガン、ペガトロンなどだが、いずれも「特定の顧客や受注に関してはノーコメント」としている。
観測によると、キャッチャーの洪水樹董事長が訪米してiPhone7シリーズ2,000万台分の追加受注を得た。ペガトロンの童子賢董事長は先日、iPhone旧モデルは値下げ後、購買意欲が上昇しており、ペガトロンの第4四半期の生産能力の3割以上を旧モデルが占めると話していた。
証券会社は、iPhone7シリーズ追加受注により、アップルのサプライヤーは来年第1四半期も、非需要期ながら受注見通しが立っているとの見方だ。
中高価格帯の多機種戦略
iPhoneは今年発売された3モデル、および旧5モデルを合わせた8モデルが市場に出回っており、機種数は過去最多となっている。販売価格は▽iPhoneSE(32GB)、349米ドル▽iPhone6s(32GB)、449米ドル▽iPhone6sプラス(32GB)、549米ドル▽iPhone7(128GB)、649米ドル▽iPhone7プラス(128GB)、769米ドル▽iPhone8(64GB)、699米ドル▽iPhone8プラス(64GB)、799米ドル▽iPhoneX(256GB)、1,149米ドル──。中価格帯から高価格帯までの多機種戦略だ。どのモデルも主要サプライヤーはほぼ変わらないので、アップルは在庫管理能力が課題となる。
一方、競合のサムスン電子や華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などは、インフィニティディスプレイ(狭額縁設計)、デュアルレンズ、AI(人工知能)など、消費者の興味を引く機能搭載で対抗している。
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