ニュース 自動車・二輪車 作成日:2017年12月18日_記事番号:T00074554
長春集団(CCPG)は、電気自動車(EV)世界市場の急成長をにらみ、EV用リチウムイオンバッテリー材料の銅箔(はく)の増産に中台で230億台湾元(約870億円)を投じる計画だ。年産能力を5万4,000トン増強する。長春集団はEV向けリチウムイオンバッテリー大手メーカーに対し長期に供給しており、世界市場シェアが現在の約20%から、2021年にはシェア30%に近づくと見込む。18日付工商時報などが報じた。
長春集団は、中国・江蘇省常熟の銅箔2工場が年産能力1万8,000トンで試験運転中だ。台湾で建設中の年産能力1万8,000トンの新工場は2019年6月に稼働する予定だ。遼寧省盤錦市の経済特区、遼東湾新区でも年産能力3万6,000トンの新工場を建設する計画で、20年上半期に生産開始予定だ。
これにより、銅箔の年産能力は17万2,800トン、うちリチウムイオンバッテリー用は10万2,000トンに拡大する。現在の銅箔年産能力は10万8,000トンで、うちリチウムイオンバッテリー用が3万トン。
EVの心臓、技術力に自信
林書鴻長春集団総裁は、EVの鍵はリチウムイオンバッテリーで、その心臓ともいえる電極に用いる銅箔がリチウムイオンバッテリーの品質を決めると説明した。EV部品や材料は、安全走行に関わるため非常に重要で、大量に生産できればいいというものではないと指摘した。長春集団は7~8年前から電解など関連技術の研究開発(R&D)を始めており、EV用リチウムイオンバッテリー向けで技術的にリードしていると語った。
林総裁はまた、世界の自動車メーカー大手がEVに注力しており、20年にはEV需要が急増すると予測した。EV販売台数の世界シェア95%は▽日本▽中国▽米国▽カナダ▽英国▽ドイツ▽フランス▽オランダ▽ノルウェー▽スウェーデン──の10カ国が占めている。日本、中国、インド、英国、ドイツ、フランス、オランダ、ノルウェーなどは2020~40年までにガソリン車の販売を禁じる目標を示しており、EVや水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)などしか購入できなくなる。
BMW、台湾から部品調達か
こうした中、台湾の部品メーカーにもEV商機が拡大している。
BMWはドイツ政府のEV推進政策を受け、EV新モデルを来年第3四半期に発売予定で、年産30万台を計画している。これに向けて、台湾の自動車部品大手、和大工業(HOTA)などの顧客認定を行い、クリスマスまでに調達品目リストの提出を行う予定だ。台湾の部品メーカーが、一次サプライヤー(ティア1、Tier1)として従来型の自動車ブランドに直接納品するのは初めてのケースとなる。
BMWが和大工業を選んだのは、EV大手、米テスラが採用した和大工業の部品の性能が高かったためとみられている。テスラは来年第1四半期から、1週間当たりの生産量を1万台に倍増する計画で、和大工業など台湾の部品メーカーに対し、供給拡大を求めたようだ。和大工業の沈国栄董事長は先日、大口顧客の需要を満たすため、総動員で日夜残業しており、海運だけでなく空輸でも供給していると話している。
部品各社は直接言及していないが、BMWからの受注が確定すれば、深刻な供給不足となり、値上げに踏み切る可能性もある。
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