ニュース 社会 作成日:2017年12月18日_記事番号:T00074563
台湾随一のリゾートして知られる墾丁(屏東県)だが、近年は同地を訪れる観光客の数が激減している。2016年の政権交代による中台関係の悪化により中国人観光客が減っていることが大きな要因とみられるが、ほかにも現地の物価高騰、および衛生環境の悪化によって評判を落としている面もあるようだ。
交通部観光局の統計によると、2008年に中国人による台湾観光が開放されたことから、翌09年に墾丁を訪れた旅行者の数は延べ455万人へと大幅に増加。さらにその後も成長を続け、ピーク時の14年には延べ800万人を突破した。しかし、16年の民進党への政権交代で訪台する中国人客が激減。墾丁を訪れる旅行者数も今年1~10月時点で延べ343万人と前年同期に比べ140万人もの大幅減となっており、通年でも08年の約半分に落ち込む見通しだ。
墾丁の人気低下には、観光地としての評価が低く、リピーターの少なさにつながっているとの指摘する声も聞かれる。
実際、墾丁を訪れた旅行者からは「宿泊費も食費も高く、沖縄に行った方がよい」、「街頭にゴミ箱がなく、観光客は皆、変電ボックスにごみを捨てている」などといった悪評が聞かれる。
さらにこのほど同地を訪れた旅行者が、屋台で販売されるポピュラーな台湾風煮物料理を購入した際、2皿で1,845台湾元(約7,000円)という法外な代金を要求されたとインターネット上で暴露。これが大きな反響を呼び、「観光客がいなくなるのも当然だ」といった批判が相次いだ。
イメージ悪化を懸念する地元地域は今年8月、衛生環境を改善するための委員会を設立。現地で露店を営む業者の約8割が月に500元ずつを出し合って、清掃員を雇用して街頭の美化に努めているほか、消費者問題処理チームを立ち上げ、ぼったくり行為などの速やかな解決を図っている。
また「リピーターの獲得には新鮮味が欠かせない」との意見が専門家から出ていることもあり、観光局は屏東県政府などと協力し、地元の農業や豊年祭など地元の文化、ウィンドサーフィン、サイクリング、マラソンなどスポーツと結び付けた特色あるパックツアーを提供していくことを計画している。
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