ニュース 運輸 作成日:2017年12月19日_記事番号:T00074578
中国版Uber(ウーバー)といわれる中国の配車サービス最大手、滴滴出行(DiDi)が、フェイスブック(FB)を通じて台湾でタクシードライバーの募集を開始した。サービスの開始時期などは不明だ。交通部関係者は18日、自社で旅客輸送を行うのなら営業許可が必要だが、単なる配車システムなら不要との認識を示した。タクシー最大手、台湾大車隊は、ドライバーの教育を行わない単なるプラットフォームならばサービスの質を保てないと指摘し、既存タクシー業者の優位性を強調した。19日付経済日報などが報じた。
台湾では、ウーバーが2013年にサービスを開始し、消費者の話題を集めたが、タクシー事業としての認可取得を求める交通部と対立し、結局、タクシー業者と提携して一般のドライバーをサービスから排除せざるを得なかった。
滴滴出行(会社名・北京小桔科技)はウーバー騒動を教訓に、サービスをタクシーのマッチングプラットフォームと位置付け、乗客とドライバーを仲介するのみで、紛争や損害が発生した場合でも責任を負わないとしている。
同社は台湾でのドライバー募集の条件として、▽台湾の身分証▽職業ドライバーの免許▽タクシー事業者の登録証▽事業用小型旅客車の運転免許──の保有、車両の車齢9年以下を提示した。
法律で中国資本は、台湾で自動車運輸業などの交通業を営むことができない。このため、11月10日に台北市敦化南路に設立した新会社、楽迪科技が滴滴出行からブランド商標やアプリの供与を受け、滴滴出行の代理で台湾業務を展開する形をとる。楽迪科技の資本金は20万台湾元(約75万円)。
滴滴出行は中国で複数の配車アプリと合併を重ね、2016年8月にはウーバーの中国事業を買収した。ウーバーは滴滴出行の株式の17%を取得し、筆頭株主となっている。
配車システムは合法
賀陳旦交通部長は今年10月、滴滴出行が台湾進出に向けて一部タクシー業者と交渉しているとの情報を把握していると明かしていた。台湾進出を禁じるとの発言はなかった。
交通部関係者は18日、滴滴出行がドライバーを募集し、タクシーの配車システムを提供する意図を把握しているが、地方政府へのタクシー旅客運送サービス業の申請がまだないので、今後の動きを見守ると述べた。
また交通部関係者は、かつてウーバーはタクシー旅客運送サービス業の申請を行わないまま、自社でドライバーを募集して旅客運送を営んだため、公路法違法で重罰を受けたが、現在はタクシー業者と提携して配車システムを提供しているだけなので、違法でないと説明した。
一方、経済部投資審議委員会(投審会)の張銘斌執行秘書は、滴滴出行から台湾投資の認可申請はなく、楽迪科技に商標などを供与する形なので、違法や抜け道かどうかはまだ判断しかねると述べた。
台湾大車隊、質で勝負
台湾大車隊は、ドライバーの教育を行わないのなら、ドライバーや車両の質を保ち、長期的に競争力を保つことは難しいと指摘した。ただ、合法的な新規参入は市場規模の拡大につながると歓迎の意を示した。
あるタクシードライバーは、加入すれば集客方法が増えるので、試してみたいと話した。
別のドライバーは、ウーバーは話題となったが、滴滴出行は中国資本のため、台湾市場で受け入れられるとは限らないと語った。
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